「もし殺し屋になっていなければ…」THE ICEMAN 氷の処刑人 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
もし殺し屋になっていなければ…
二人の娘の優しい父親としての表向きの姿とマフィアお抱えの殺し屋としての裏の顔。
映画では、この相反する面を描くことに主眼が置かれているようだが、それよりも、興味深いのは、彼がもし殺し屋になっていなかったら、彼は家庭を持ち父親になるという人生(の一面)を持つことが出来ただろうか?
彼は、殺し屋という裏の面を持つことで、その暴力性を家庭の中で見せずに夫と父親の役目を果たすことが出来たのでは?
服役中の弟は、リチャードがなっていたかもしれないもう一つの自分の姿。
だからこそ、彼は弟はを拒絶したのだ。
リチャードを演じたマイケル・シャノン、彼の雇い主のマフィア、ロイを演じたレイ・リオッタはある意味イメージ通り(?)のキャスティングだが、デヴィッド・シュワイマー(マフィアの手下)、クリス・エヴァンス(リチャードの相棒)など意外なキャスティングが新鮮。ジェームズ・フランコがチョイ役で出ているのは、監督と親交でもあるのか?リチャードの弟を演じたスティーヴン・ドーフは強い印象を残すが、彼にはそろそろ代表作になるようないい作品に恵まれて欲しい。
コメントする