フォックスキャッチャーのレビュー・感想・評価
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黒カレル
初めての黒カレルはひたすら重く、鬱テイタムはとにかくツラく、徹底した重い空気の2時間で久しぶりに観終わってドッと疲れて抜けない映画でした。相反した二人ですが、とても似ているところがあとあと明暗になってくるのも、マーク・ラファロの、いつもちょいちょい出てた「微妙な表情」がこんなカタチで活かされるとは……皆まで言うなのアニの存在感、とても良かったです。
特殊メイクもホント見事。カリフラワーイヤーまでしっかり再現してました。
スティーブ・カレルは日本にいない
とにかくスティーブ・カレルだ。怖い。想像を超えた歴史の末端にいる大金持ちの、マザコンの、御曹司という特異な役を、そんな気にさせる走り方や、笑い方や、あの沈黙の間だったり、お見事。
キャスティングも、音楽も素晴らしい。
USA!USA!USA!
しかし、これがゆるゆる『マネーボール』撮った監督に思えない。それもアメリカの怖ろしいところだな。
自己中。
こちらの先入観のせいか、ベネット・ミラーがもっている資質か、すべてのシーンに緊張感がみなぎる作品になっていた。
殺人が結末になっているということはわかっていたが、誰が誰を、というところまでは知らずに観ていた。実話なので世間的にはよく知られていることなのだが。
どうやって殺意が醸成されていくのか、その一点だけに注目していた。
アメリカのレスリング界がどういうことになっているのかよくわからないが、ひとりの資産家の私物になったかのごとくである。
そして、この資産家はまるで子どもである。
そのわがまま加減が画面に緊迫感を生む。何をするかわからない。
母親にレスリングを否定されたという同情すべき点もあるが、だからといって彼の自分勝手が許されるものではない。
スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、いずれも好演であった。
固唾を飲んで
デュポン氏のいつ爆発するかわからない不安感に、画面から目を離す事ができませんでした。コメディ俳優のイメージが強い方だったんですね。信じられない…!
弟役チャニング・テイタムの不安定化な演技も、兄役マーク・ラファロの包容力に満ちた演技も、本当に素晴らしかったです。
楽しい映画ではないけど、凄い映画を観ちゃったなあ…という感じです。
日本映画では…
静かに始まるレスリングの練習から
淡々と流れてラストまで…
不気味ささえ漂う役者達の表情…
スティーブ カレルの狂気に満ちた演技の凄み…
チャニング テイタムも今迄の役柄を払拭する
演技も今後に期待…
マーク ラファロの明るい役柄が…
観る者を飽きさせないスパイスとなっている…
シエナ ミラーもアメリカンスナイパーと同じく
良き母良き妻の演技も特筆です…!(^^)!
日本映画では、このような映画は難しいだろう…
あのレスリングのユニフォームはシングレットっていうらしいです
説明的じゃなく、といってもアメリカらしいオーバーさやドラマチックな演出はありますが、表情や振る舞いを通した心理描写が主です。個人的に好きです。
登場人物のキャラクターが単純化されているので、そんなに難解ではないと思います。
ジムをトボトボとランニングするデュポン氏は強烈に哀れでした。
でも、ストーリーがキャラクターの心理にそって展開していくので、ある程度の抽象性ないし解釈の多様性は確保されています。
事件が起こってキャラクターがリアクションをとる筋ではなくて、キャラクターがアクションを起こしていく。その動機になる心理の描写の抽象性が、リアリティや不気味さに繫がっているんじゃないでしょうか。
まあ、とにかく、いい映画だと思いました。
器だけが大きくなると
淡々としつつも常に重苦しい雰囲気をまとい、弦楽器達が精神の浮沈と合間って背筋を寒くさせる。デュポンもマークも子供と言ってしまえばそれまでだけれど、映画だけで考えると兄貴も兄貴だなぁ、なんて思いながら映画館を後にしました。
魂の成長が何よりも大事なんだろうねぇ…。
個人的には好きでない
実話を元にしているから仕方ないのだが、ストーリー的に盛り上がりがないままクライマックスを迎える。あれだけ金を持ってて、好き放題に行動してそれでも満たされない人生ってどんなだろうと思った。映画としてはあまり好きではない。ただ、スティーブ・カレルの演技は確かにすごみを感じる。
アスリートの苦悩
ココロの闇や苦悩。
135分を感じさせない。引き込まれて行くベネットミラー監督の演出のうまさ!スティーブカレルの狂気や母親への思いは悲しく、泣けた!マークの兄への葛藤とデュポンの孤独。そして、アンソニーマイケルホールにびっくりしました!ww
Amazing approach
Very quiet, therefore the effect of this silence worked very well to describe the lunatic situation. David was family man and he was the average, normal guy compared to John or mark. That was the reason of johns action, I guess. Steve did amazing job. His smile was super scary!!
男ハァハァ サスペンス
デュポン財閥のボンボンがレスリングの元代表選手を殺害したという事件の映画化。
スティーブ・カレルが自身の力で獲得してこなかったボンボンの持つ歪んだ愛憎を見事に怪演!
息つまるサスペンスなのだが、もう少しコンパクトでもよかったかな〜
目が疲れた
静かで、淡々と話が進むので眠気との戦い。そしてまた淡々としたデュポンさんが怖い、気持ち悪い。のは、スティーブ・カレルが凄いんでしょうかね。マークが世界選手権で優勝するまではいい話だった。金メダルとったのにあの境遇では、浮かばれないよ。ALSOKありがとう。
はじまりのうた見てからのこれだったので、マーク・ラファロの振り幅も凄かった。
弟からの嫉妬心みたいなのは理解できたんだけども、結局なんで、殺人に至ったのかはイマイチしっくりこない。
演出家のチカラがすべて。
この事件は聞いたことあるけど、
映画にするほどびっくりする話ではない。
世界有数のボンボンが、
オリンピックに関わりたくて
好き放題しただけのこと。
けど観客へのサービスをぐっと抑えて、
話の流れをたんたんと描く
凛とした演出はさすが。
それだけで、
見事に実話の深みを積み上げていく。
監督に応えた役者たちも、
素晴らしかった。
だけど、この実話に興味がない人には長いかも。
隣のカップルも、少しシラケぎみ。
マッスルな身体を楽しみたい人は、
いいけどねw
話はフツウでも
演出家のチカラで見応えがでてくる。
そんな見本みたいな映画でした。
裸の王様
金で買うことの出来るものなら手に入らないものは何一つない。アメリカの財閥の御曹司ジョン・デュポン。彼が欲しがったのは金では買うことの出来ない名誉、敬意というものだった。
経済力を使ってレスリングチームの「コーチ」の座を手に入れるのだが、しょせんは金にものを言わせたパトロン。
映画はデュポンの虚栄心や孤独、そしてデュポン家の人間にふさわしい名誉をなんとか獲得しなければならないという焦燥感を丹念に描いている。そしてそのような人間の怖さを知るマークと、そのような人間に全く善意の無頓着さを表すデイブの対比も鮮やかに映し出す。
主演のスティーブ・カレルが、コメディ俳優出身とは思えない陰鬱な人間像を演じている。座面に背中を接するほど深くソファに沈み、常に遠く見つめるようなくすんだ瞳。カメラは執拗に彼を正面からとらえる。まるで尊大な人物が自らの意志でカメラを自分のほうへ向けようとするように。
マークを演じるチャニング・テイタムには、あえて顔に陰翳が生じるような角度からの撮影が多くデュポンと兄デイブの間で揺れていることを観客に感じさせる。
そして、デイブは努力と才能によって成功を収めた人間に特有の無頓着さを表している。マークとは対照的に、マーク・ラファロの髭面は何の陰もなく撮影されている。その瞳は明るいが思慮に乏しく単純で明快なものである。
デュポン本人も周囲も、デュポンがそのチームのリーダーで若い選手たちの敬意を集めているという演出に勤しむ。しかしそんな彼の名誉欲はレスリング選手たちには理解されない。なぜなら、彼ら選手が名誉に浴するのは、試合に勝利した時であり、手に入れることは困難ではあるがその名誉の理由が単純明快だからだ。
結局、最後までデュポンは選手たちからの敬意を得ることはない。
彼のその欲望を理解できなかった者は、裸の王様が裸であることを、王様自身に痛切に思い知らせていることに無自覚だ。その無自覚がときに悲劇を招くことになるのだが。
フェイム
金と名声はあるが心は‥という題材は使い古されたものだけど、この作品は不穏かつ重い雰囲気で描かれていてBGMの無い絵作りと少ないセリフという構成なのが良かったと思う。実話に基づきながらほとんど何も語られていないので「意味がわからない」と言われたらそれまで。少し考えればテーマは見出せるとは思うけれど。
3人の演技を引き出したのも上手い。ベネット・ミラーは信用できるなと思う。
"FAME"を使ったのは『プリティウーマン』との関連性を匂わせていたのだろう。つまりはそういうこと。こっちは悲劇だけども。
チャニングは今まで注目してなかったが今後期待できるかなと思った。顔が綺麗すぎて逆に苦労するパターンかもだけどこれを演れるんだから。スティーブは以前から知っていたしこれくらいはやるだろうと。ヘリの中でコカインやりながらスピーチの練習をするところとか祝勝会での悪ふざけとかは彼らしいなと。元より彼の笑いは怖さをたたえている。一番の驚きはマークで、体づくりや髪を抜くこだわりで別人になっていた。技巧派のレスリング選手という設定を納得させる佇まいだった。
しかし男一人で観ると勘違いされそうな作品ではある。かといってカップルで観るのも違うよな。
高みを目指し、結局誰一人として幸せになれず
どこまでが実話なのか、どこからがフィクションなのか。はたまたもしかしたら、どの役者かは本人なんじゃないか。そんなリアルが潜む。
効果音で緊迫感を煽るような野暮もせず、ひたすら人間の表情や行動を追いかけるような進行。御曹司の狂気、マークの混乱、デイブの理性、それらがじわりじわりと膨張してラストで弾けてしまう。
実話だと知っていながら、あえて予備知識を入れずに観ていただけに、その御曹司のした仕打ちに愕然とした。
そして、マークのその後を知らせるクレジットをながめ、栄光と引き換えに失ってしまったものの多い彼の人生を思いながら、涙した。
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