「上の子・下の子・一人っ子…」フォックスキャッチャー 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
上の子・下の子・一人っ子…
上の子、下の子、一人っ子…それぞれの苦悩を、実在の事件を下敷きにして、見事に描き出した一本。
答えの無い悲劇とも言える事件を通して。
派手さは無いながら、とにかく丁寧な演出で淡々と語られる上の息苦しい責任感、下の過剰なコンプレックス、そして一人っ子の異常な自己認証欲。
人間という生き物の本質を抉る、全篇を通して目が離せない息苦しさ。
それを表現し切ったのは、やはり俳優陣の演技の見事さに尽きるのではなかろうか。
最近、小便臭い小娘が「頑張った」と言われる映画に素直な感想をぶつけたら「あなたは俳優したことがあるんですか?!」とすごい勢いの入れ食いがあった。
そりゃしたことないけど、この作品の役者の怪物っぷりは分かるよ…
40歳の童貞男に収まりきらないスティーヴ・カレルの不穏ップリ!
そして尚更にマーク・ラファロのカメレオンップリ!
ついこないだ出演作二回も観たのに…
「このお兄ちゃん役、誰か分からん凄い役者!」ってなったからな…
まぁ、チャニングは近頃の「いつも通り」だったけど…苦笑
派手さは無い分、胸にモヤモヤと留まる思いを堪能する作品。
良作!!
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