「出されたものを食べてるだけの現実だと」銀の匙 Silver Spoon 未佐緒00さんの映画レビュー(感想・評価)
出されたものを食べてるだけの現実だと
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原作は途中まで百姓貴族を読んでいたので、ただ笑える,感動だけではないだろうと思ったら、どんぴしゃという感じです。
主人公が育てた豚に対する気持ちに周りの生徒達はクールで冷たいとも思える言葉を発しますが、それらは環境からくるものです。
割り切って感情を捨てている訳でもありません。
農業や畜産というものに関わる事がない人、その世界を知らない人は、この映画を観たとき、多少なりとも驚いたり,感心したりすることがあると思います。
豚や牛の一頭の肉、牛乳一リットルの原価がどれだけ安いのか。
それを作るために努力している人間。
金を出して食べる側の人間。
いつも食べてるものを見て,こんな事を考えている人は、あまりいないと思います。
野菜しか食べないベジタリアンだからとか、普段から肉や野菜あまくり食べないという人も、この映画を観て、供給者である農家、それに携わる側の事を少し考えることができたらいいのではと思います。
主人公が受験戦争のプレッシャーに負けて親から期待しないと,冷たく突き放されたとき。
成績の悪い馬や鶏ガ食肉にされたとき、借金だらけの牧場経営が成り立たなくなってしまったとき。
人間は家畜みたいに逃げ道がないわけではない,逃げるのは悪いことではないという中島先生の(中村獅童)の言葉には納得しました。
仕事で行き詰まって、学校の成績がよくない、虐められる、実社会でも理不尽なこと、納得いかないこと色々とあります。
銀の匙、タイトルとその意味に、最後ああそういうことかと納得できる内容です。
好きな俳優や役者さんが出ているから、農業や畜産って゛とんなものって思ったり興味があるなら観てほしい内容だと思います。
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