「これぞアンサンブル映画の醍醐味」アメリカン・ハッスル ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞアンサンブル映画の醍醐味
冒頭、クリスチャン・ベールのでっぷり肉の付いた腹からバーコードハゲ頭にカメラが移り、鏡でチェックしながらカツラをペタペタとノリ付けして丁寧に頭上に乗せていく一連の動作。それにまあまあ結構な尺を使ってくるから、ただじっと観せられてる我々は「何をそんなじっくり見せとんねん」という無言のツッコミw
しかし、それが「これから何やら珍妙な騒動が起こるぞ!?」という暗示というか予感というか、期待感というか。不安というかwを煽る訳で、まあ実際にそうでしたね。
デ・ニーロ・アプローチを地で行くチャンベーの独壇場になるのか!?と思いきやさにあらず、登場するキャラクター登場するキャラクターがまあ濃いのなんの!
エイミー・アダムスのスケベったらしい悪女振り!
ブラッドリー・クーパーの勘違いFBIクソ野郎感!
ジェレミー・レナーのごうかい愛されおじさん振り!
ジェニファー・ローレンスのおしゃべりヘリクツビッチ感!
ロバート・デ・ニーロの其処に居るだけでデ・ニーロ!
登場する主だったキャラクター全員が座長というか、全員の独壇場というかね、いやもう本当伸び伸び演じてますよね。
それもやっぱ足場がしっかりしてないと成立しない訳で。
伏線配置というか、フラグの立たせ方が非常に巧みで絶妙。決して目立たせず、どれもさりげない。さりげないけれど、どれもしっかり機能して、だから痛快にハジケる。完璧に整った舞台があるからこそ、俳優達がはっちゃけられるというか。
いやあ新生ラッセル劇場!堪能いたしました!
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