劇場公開日 2014年7月26日

「生と性と静と死」2つ目の窓 もんさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生と性と静と死

2014年8月28日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

生と死を、二元論的に単純化して語るのではなく、その二つの間に曖昧な生きているものには容易に踏み込めないアニミズム的な神聖な時空があると、風と波と雨と心の動きの中で丁寧に表現する。忘れていた(あるいは知らなかった)生と死の境界線に立たせてくれる、静謐な物語。
生と性と静と死。人はその連綿と続く環を巡りながら命をつないでいく。そのことが人に課す重い運命を、サラサラと流れる時間に乗せて紡ぎ出す。
監督本人が最高傑作と仰るように、河瀬作品の中で僕の心の一番深いところまで届いた作品になった。
主人公の若い二人がどうが肉体的にも精神的にも深いところでつながりあえますように……いつの間にか、強く願っていた。

もんさん