劇場公開日 2014年7月26日

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「これまでの河瀬直美監督作同様、好き嫌い分かれそう」2つ目の窓 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0これまでの河瀬直美監督作同様、好き嫌い分かれそう

2014年6月7日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門にも出品された河瀬直美監督最新作。
劇場公開に先駆け、先日WOWOWで先行放送されたものを録画して鑑賞。

奄美大島を舞台に、少年少女の恋、人と人の繋がり、人の生と死、人間と自然などを詩的に描いている。

まず目を引くのは、奄美大島の美しい映像。
ここ日本!?…とさえ思うショットもあり、神々しさすら感じた。
大自然と共存する人々の姿には、今村昌平監督の名作「神々の深き欲望」をも彷彿させるものもあった。

河瀬直美監督お馴染みのドキュメンタリータッチ。
作られた演出ではなく、現地の人々の姿を切り取る、または覗いているような演出だ。
(メインの役者以外は現地の素人を起用)

主役の少年少女には、オーディションで選ばれた新人とフレッシュな若手女優。
界人役の村上虹郎は村上淳の息子で、ナイーブな少年を熱演。(親子役で親子共演も)
杏子役の吉永淳はまだ無名に近いが、実に初々しい。序盤、制服のまま青い海の中を泳ぐシーンは幻想的な美しさ。

魅力的な箇所もあるが、映画は決して万人受けする作風ではない。
分かり難い部分もあるし、伝わり難い部分もある。
好き嫌い分かれる。
実際自分も河瀬直美監督の作品は一通り見てはいるが、それほど印象に残る監督ではなかった。

カンヌではパルムドールを逃したものの、これから日本で公開されたらどう評価されるか。
監督自ら“最高傑作”と語る渾身作、見ておく価値はある。

近大