「コントの延長ではない。」青天の霹靂 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
コントの延長ではない。
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お笑い芸人監督と言えば、松本人志と品川ヒロシ(北野武は映画監督)
がいますが、どうしてもその両者との比較をしてしまう。
松本と品川は、5分のコントに1時間55分の映画的要素を追加した
感じだと思っています。それは、話に深みが無くて荒唐無稽さが際立った作品ばかりだからです。いきなり銀行強盗したり、いきなりSMクラブに入会したり。
それに比べてこの映画は、シンプルだけど話の幹がしっかりしていて、この映画のキモである、主人公が何故惨なのかの部分が描かれているからです。他の映画では以外に雑になりがちな成り上がりの背景も、しっかりとした理屈があって良かった。
ヒヤヒヤする場面もあった。終盤、川岸で息子が親父に何かを言おうとしてプツリと場面が切り替わる所。ここはどうやって回収するのかと思ったけど、そう来たかと。そう終わるのかと。斬新とは言わないが、映画っぽくなってるじゃん。
良くなかった所。劇団ひとりに中国人キャラやらせたらコントじゃん。てかアメトークとかでやってたじゃん。あとは劇団ひとりがする、唇を窄めたような微妙な表情は、コント的なお笑いになってしまうのでホントに止めた方が良いのでは...。
あとは上映時間が90分くらいなのが少しもの足りないなと、見てる時は思ったけど、今思えば落語みたいにリズムもいいし良かったかなと。エンディングのキレも良かったし、落語だよ。
総じて、良かった。初監督でここまでなら、今後への期待は大きいです。お願いします!
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