「(意外にも?)真っ当な感動作品でした。」青天の霹靂 たくっちさんの映画レビュー(感想・評価)
(意外にも?)真っ当な感動作品でした。
生まれてきた ただそれだけで 愛されてる証
いいですね。ミスチルの歌詞。
今週公開の家族もの作品第一弾。
また、私にとって今年の(いい意味で)予告詐欺二本目になりました。
いやね。(この前置きまたかよと)
いわゆる、芸人である劇団ひとりの初監督作品ということで。
また、今年の早い時期に劇場で流されたショートver.の予告が
どちらかといえばコメディタッチであった為
当初は観に行く予定はありませんでした。
しかし、直近の時期に流された本予告(?)のほうを観る辺り
これはただの「作ってみました」的な作品じゃねぇぞと。
あれこれ意外に泣かせるものじゃない?と考えを改め、前売り買って観てきました。
前置きが長くなりましたが本題へ。
本予告の通り。
とても正統派な(悪く言えばテンプレート通り)作りの感動作品でした。
涙腺緩い人はハンカチを。
まず導入部。
(観賞前はここで、どんなトンデモ設定を作ってからいくのかなと思っていたのですが)
境遇が被るせいがあるのかもしれませんが
大泉洋の人物像にリアリティがあり
ぐいぐいと引き込まれます。
己の境遇を嘆く生き方を見失った中年男性とかね(ここまで不幸ではないですが)。
柴咲コウについて。
中盤の前半あたりで登場してくるのですが
最初見た時、あまりに冴えない顔だった為
「これはキャストミスったんじゃないか」と本気で思いました。
しかし、後々のシーンで
父親役の劇団ひとりをペチペチ叩いたりする時や、涙を見せる時の顔は流石の一言。
感情が入るとよく合いますね。
話は戻りますが大泉洋について。
刹那的に生きていた様が、自分の出生の秘密を知って徐々に心を戻していく様が
とても良く出ていたと思います。
柴咲コウ演じる悦子と病院で語り合う台詞は…重みがありますね。
キャストとしての劇団ひとりについて。
コメディ部分を一手に請け負い
また主人公にとっては決して認めたくない父親役と、
難しい役回りだったと思います。
ですが…素の芸人としての雰囲気を活かしつつ
バランス良く立ち回っていたと思います。
ストーリーは本当に王道。
息子の為を思って父親がついたささやかな嘘。
その為に自分は不幸だと思っている息子。
嘘に隠された両親の思いを知り、親と向き合う。
いわゆるトンデモ設定や
奇をてらった、過剰だ、回りくどい、
そんな風に思うような演出はなく。
メッセージを伝えるのに余計なお肉は要りません。
それを初監督でちゃんと実践した監督に好評価。