「堤真一の一人舞台。」神様はバリにいる 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
堤真一の一人舞台。
「神様はバリにいる」鑑賞しました。
何の予備知識も備えずの突撃でしたが、これといったサプライズのない男気映画でした。
サプライズ無しと感じた理由は、ストーリーがダラダラ進むから。元々薄味のストーリーをこんなにもダラダラやられたのでは見ている此方が辛い。
最近見慣れた堤真一のブッ飛んだクレイジーパピヨンを彷彿とさせる演技もイマイチ(イマイチだけどハマってるとは思う)。尾野真千子のダメ女っぷりも少しパンチが足りない。二枚目イイ人な玉木宏もストーリー上で重要な絡みはほぼなし。
これら主要登場人物の描き込み不足は顕著。会社を30社所有してる堤真一の凄さが明確ではないとか、尾野真千子が会社を潰した経緯も、あとは現地の現場監督が失踪していた時に何をしていたのかが語られずにスッキリしない末路。そんな薄っぺらい登場人物が繰り広げるドタバタ風コメディが最後に全員で一つの結末を導き出すのだから、ご都合主義とはこの事か。
あと、ナオトインティライミ。あの三枚目のお笑い要因彼を抜擢する意味が分からず、何よりも演技が酷く、軽い。例えば、宮川大輔のようなその種の定番キャストにしておけば、いくらか話が纏まるのではないかと思った。
主要登場人物の違和感はハンパないが、現地のキャストは素晴らしいと感じた。なによりも子供の無邪気な姿をリアルに捉えているし、より現実的な日本人とのギャップがある。コメディとして笑えるかは微妙だが、そのお話と子供達の対比というか、抑揚のような物が素晴らしい。
前述したが、コメディとしては微妙。個人的に笑えるシーンは少なかったが、劇場は大笑いしてる観客、特に年配の方が笑っていて、若い人は笑ってない印象。
男気キャラの堤真一が言うセリフは良かった。「人生とはドラゴンクエストである。経験値の積み重ね。」など、シンプルながら的を射た物が多く、若い人は勉強になるはず。自分は、少し己の生き方と照らし合わせて考えながら鑑賞し、彼の言う事は悪くないなと思った。