「やっと出てきたか!ブロフェルド!若干ファザコン」007 スペクター kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
やっと出てきたか!ブロフェルド!若干ファザコン
イギリス英語っぽくスペルがSPECTREとなっている。ghost、spirit、phantom、apparition、specter、と幽霊を表す単語は色々ありますが、各自調べてみてください。ちなみにデーブ・スペクターはspectorという綴り。そんなスペクターというタイトルにふさわしく、オープニングはメキシコシティの「死者の日」が描かれ、ジェームズ・ボンドがある人物を殺そうとしている。標的となるのは前任Mの遺言でも明かされるスキアラ。そして彼の手から指輪を奪ったボンドであった。
スキアラ未亡人となったルチア(モニカ・ベルッチ)から情報を得て、秘密組織へと潜入。ボンドは簡単に見破られたが、その首領というのが少年時代の養父の息子フランツだったのだ。その後マネーペニーと連絡を取り合い、『慰めの報酬』でも対峙したMr.ホワイトの居場所を突き止め、さらに彼の娘マドレーヌが巨大組織の謎を解く鍵となった。
単純にスペクターを敵として扱うだけなら単調になりがちだけど、この作品の面白さはMI6存亡の危機にあるという点だ。殺しのライセンスなんて無用の長物。世界中で情報網を共有すればテロの恐怖が軽減されるというMI5の方針があるのだという。そしてその責任者C=マックス・デンビーにも何やら不穏な動きが・・・
Qの発明品は今回もシンプルなもので、大きな音がする腕時計?と、これがやはりボンドを救う。さらにナノシステムによってボンドの位置がわかる発信器みたいなものを埋められる。Qはグッジョブ連発!頼もしい。
アクションシーンはオープニングのスタジアム上でのへり攻防戦、オーストリア山岳地帯での車と小型飛行機のチェイスなど見どころ盛りだくさん。過去3作もすべてスペクターに繋がっていたことにもワクワクさせられた。アクション以外でも「殺しのライセンス」は「殺さないライセンス」でもあるといった伏線が生かされていた。いや、それよりも腐った政治家たちもなんとかしてもらいたいが・・・