「因果応報、と言うと聞こえは悪いが」悪の法則 ezioさんの映画レビュー(感想・評価)
因果応報、と言うと聞こえは悪いが
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終始主人公であるカウンセラーが不憫ではあるが、ある意味誰も悪くなく、自ら踏み込んだ世界であって運が悪かったと言ってしまうのも簡単。だが、その運命を辿る可能性も無意識下で承諾した上で踏み込んだ世界だろうという結末。
終盤語られる「"悲しみ"では何も買えない。なぜなら"悲しみ"には"価値"はないから。」「運命と交換しても良いと思うほど、単なる死ではない。死は安易すぎる。」という言葉は金言だった。だからこそ悲しみは何ものにも代え難いのだろう。
彼らは悟っているだとか、バカだとかいう言葉では括らない。それぞれの人生を生きて、それぞれのルールに従って生きているだけなのだ。そこに不満は抱いても、不条理、不義理と思うのは筋違いだろう。
送られてきたDVDには「やあ!」の文字、中盤で話していたスナッフフィルムのことから全てが解るカウンセラー、そのマイケル・ファスビンダーの演技には後悔と諦めと。自分は生きているが死んでいるのと同義であるという、本作の言葉を借りると「無意味」となった様を体現しており心打たれた。
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