「ミステリーって。。。」白ゆき姫殺人事件 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーって。。。
湊かなえの原作は「告白」にしても「贖罪」にしても、「北のカナリアたち」として映画化されたものにしても、子どものときのトラウマなり事件なりが大きく影響を及ぼしている。
湊かなえ本人の子ども時代に何事かあったかのようだ。
軽薄なTVディレクターが事件取材のことをツイートしていたことを契機に、ある容疑者の人物像がネットで形作られていく、というのがテーマなのだが、ネットの炎上というのが、本作でちゃんと表現されていたのだろうか。
要は、ネットにつながなければ、炎上とは無縁でいられる。果たしてそういうものだろうか。
TVのワイドショーは、事件報道をするときに、あんなにウラをとらないで放送するものだろうか。
ディレクターも東京行きの急行に乗ったかもしれない容疑者がどこへ行ったのかということも調べない。死亡推定時刻も曖昧、眠剤に等しい風邪薬の服用。
ディレクターが警察に全然当たらない時点で、この作品は説得力ゼロである。
いま、世の中には周到なミステリーが氾濫している。本作のような穴だらけのミステリーは居場所がないのでは。
せめて、ディレクターが真相に迫る構成にしてほしかった。
中村義洋には、やっぱり、横山秀夫「64」を映画化してほしい。
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