「犯罪の謎解きよりも、その周囲にいる人間関係が見所」白ゆき姫殺人事件 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
犯罪の謎解きよりも、その周囲にいる人間関係が見所
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総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
犯罪行為やその捜査よりも、関係者の人物関係を羅生門方式で焙り出していく。さらには報道機関の適当さや情報時代の情報の暴走と拡散についても取り入れて、物語に捻りを加えている。
最初の会社の女性社員狩野の言っていることは余りにも一方的であるし、直属の指導を受けていた後輩の割りには悲しみも衝撃もなく他人事のように話す姿にあまりに違和感があった。この供述どおりには絶対にいくはずがないと思っていたら、やはりそれぞれの登場人物の立場が次々に出てくるばかりではなく、その人々の性格や今までの行動が現れてきて真実に近づく過程がとても面白かった。そしてそこで描かれる、女性にありがちなどろどろとした人間関係が一番の見所。
それにしてもこんな手に引っかかる赤星とテレビ局は馬鹿すぎ。赤星という個人が馬鹿なのはいいが、テレビ局がそれに全面的に乗っかっていく必要はなかった。
三木典子を演じた菜々緒が、派手な見た目と捻くれた複雑な性格と行動で問題を起こして一番存在感を見せてくれた。城野美姫は地味で特色がないという設定だが、地味な服装と化粧と行動でもやはり井上真央が演じると地味なりに可愛くて見た目に特色が出てしまう。もっと本当に普通に地味な見た目の人が演じたほうが良い。最初に情報を出した狩野里沙子には、もっと最初と最後の実態の落差を直接しっかり描いて欲しかった。後で事件の顛末について報道機関から伝えられるだけでは衝撃が少ないのでもったいない。
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