風とライオンのレビュー・感想・評価
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テロには屈しない
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「ペディカリス(バーゲン)の生還か、ライズリ(コネリー)の死を」などと演説でぶちまけるセオドア・ルーズベルト(キース)。ずいぶん前からアメリカには“テロには屈しない”というテーマがあったんだな。
『アラビアのロレンス』を作りたかったのかどうかわからないが、アラブ人の偉大で崇高な部分を前面に打ち出した作品。単なる山賊としてのイメージを持たせる前半と、モロッコのリフから外国人部隊を一掃させたかった民族自決主義的な男気を感じさせる後半。隣村(?)の部族にも裏切られて、人質を返しに行く面々だったが、待ち構えていたドイツ、ロシア、フランス軍兵士たち。そこでペディカリスが「ライズリを釈放する」と言ったルーズベルトは約束を守るはずよ!などと騎兵隊を説得。子どもたちも勇敢に銃を奪ったりして兵士たちを納得させた。戦闘シーンの派手さよりも、このハイアム君似の少年ウィリアムがなかなかよかった。「僕は盗賊になるんだ」などと、楽しかったライズリたちとの旅を思い出すシーン・・・
アメリカ帝国主義の若干の皮肉と、モロッコ襲撃事件をモチーフにしたルーズベルト賛辞の映画かと思っていたが、最終的には軍隊による虐殺よりも一対一の男らしい戦いを描いた作品だった。そして“風とライオン”の意味が途中までわからなかったが、最後にルーズベルトに宛てたライズリの手紙によって明らかになる。1つの地に留まって祖国を守るライズリ自身をライオンに喩え、ルーズベルトはあちこちと領土を増やそうと砂嵐を起こす風なのだと・・・ただし、アメリカもアラブも称えるような内容になってしまってるので、テーマがはっきりしない・・・
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