「これから大事な事を言う」ジャッジ！　近大さんの映画レビュー（感想・評価）

落ちこぼれ広告マンの太田は、社命でサンタモニカ国際広告祭の審査員を務める事に。さらに、出品された自社の超駄作のちくわCMを優勝させないとクビに！

実際にCM界で手腕を奮うクリエイターによるコメディ。
日本のコメディって人情モノやユル〜いモノが多いが、こういうアップテンポのコメディはなかなか無い。(他はクドカンくらい？)

落ちこぼれ広告マンの奮闘がメインストーリー。
そこに、優勝する為ならあの手この手を画策するクセモノ揃いのライバル広告マンや、純粋な審査ではなく都合と事情で決まる賞の行方、会社の傲慢や不条理など風刺も効いている。
リリー・フランキー演じる先輩のヘンテコ英会話アドバイスや小アイテムが後々になって役に立ち、見事な伏線とまではいかないが、なかなか面白い。
落ちこぼれだけど馬鹿正直な主人公の姿が周囲に影響を与えていく様や、ギャンブル好きのデキる美人同僚との仄かな恋の展開も軽快。
日本のオタク文化もフューチャーされ、ラムやハルヒのグッズがやたら登場するのも個人的にポイント高い(笑)

それにしても、妻夫木はいつからダメ男がこんなにハマるようになったのか！(笑)
北川景子も、ツンツン美人役は本当にぴったり。
豊川悦司、鈴木京香、荒川良々、その他多くのゲストキャストを探すのも楽しい。

CM業界の話なので、映画オリジナルのCMも見所。
鈴木京香演じるやり手広告ウーマンのトヨタのCMは確かに良い。
落ちこぼれ妻夫木くんの“きつねうどん”のCMはダサいけど、何故かあのメロディが耳にこびりつく。
そして、問題のちくわのCM。
ありゃ、5万回斬られた男だって死ぬわ(笑)