「大好きだけど4」るろうに剣心 伝説の最期編 青いむーみんさんの映画レビュー(感想・評価)
大好きだけど4
おそらくこれを超えるアクション映画は日本で当分出てこないだろう。それぐらいアクションにおいて格が違う。役者の魂がこもってるこの作品。剣心VS比古、剣心VS蒼紫、剣心左之蒼紫斎藤VS志々雄、どれも見所のある隙のないアクションで何度も見たくなる。中でも4人対1人のラストバトルは群を抜いて凄い。最強すぎる志々雄は期待していた以上だった。あれだけのためにもう一度見に行ってもいいぐらい。きっと家で見ても満足できないだろうから。だからこそ、だからこそ脚本の残念さへの不満は否めない。
以下ネタバレ:決断ができなかったのが失敗だろうか。十本刀、人は揃えたはいいが戦う時間は作れなかった。結果、戦闘シーンのあった安慈と宗次郎、おまけの宇水。どれも短く納得の行く出来ではなかった。宗次郎に関してはバックグラウンドも駆け足の説明すぎる説明で観客の頭にも心にも残らなかったのではないか。前作の蒼紫と同じ状況だ。
煉獄潜入シーン、各所で言われているが1.簡単に煉獄まで辿り着いてしまうところ、2.丸見えの場所で砲台作ってて志々雄一派が一切警戒していないところ。ディテールに関しては自分は甘い人間だけど、志々雄がこう間抜けだと最後のあの最強シーンに影響してしまうから本当に勘弁して欲しかった。この人めっちゃ強いけど間抜けなんだよなって思いたくないから。あの夢の様なシーンに泥を付けないでくれ。
操さん。やっぱり意図的じゃなかったんですね。関西弁と標準語のミックス弁…。標準語で行くって決断してくれたらひっからなかったのに残念。問題の敬礼のシーン。侍達の表情は苛立ちを抑えたような微妙な表情でよかったのになんで音楽でぶち壊してしまうのか。理解しがたかった。以上が今思いつく不満点。この問題のほとんどは時間の不足が原因だろう。製作においてのしがらみを一切分かってないので言えることだろうが三部作にして欲しかった。出来ないのならやはりカットしてしまうべき設定を決断すべきだったかもしれない。十本刀を減らすとか。もちろん泣く泣くだ…。奥義継承も時間の経過を映像上減らすとか。もう薫のシーンは倍速でも構わないよ。「剣心が来てくれた」とか映画だけだと訳わからんから個人的に漫画補正かけてる。
これだけ不満を書いたけどもやっぱり最高に楽しい映画だった。映画館で見られる間にまた行きたいと思う。ディレクターズ・カット版3時間とかあれば喜んで。