「長所・短所が非常に極端」るろうに剣心 伝説の最期編 katさんの映画レビュー(感想・評価)
長所・短所が非常に極端
前作が原作への忠実度、進行速度、演出、あらゆる面でバランスの取れた良作であったが、それに反して今作はこの絶妙なバランスが完全崩壊してしまっている。
長所
・前作に引き続いて、魅力的な剣術アクションを繰り広げている。
とにかく皆機敏にめまぐるしく動きまくる。
同じ実写でも、どこかの似非ル○ンと違って
動きのまとまりをキッチリと抑えたうえで編集してるから
激しい動きだけどしっかりと鑑賞できる。
そして終盤の志々雄戦、ちょっと志々雄が俺TUEEEEEEしすぎ
だったけど、剣術アクションで味方大勢vs敵1人という構図は
あまり見かけないので、なかなか新鮮だった。
ゲームで単身のボスに対して味方3~5人で挑むというのが
よくあるけれど、実際実写にしてみるとこういうものなのかと
変なところを納得したりも。
短所
・前作と打って変わって、原作内容を大幅に無視。
無視すること自体は色んな事情・バランスを加味したうえで
認めざるをえないところもあるわけだけれども
前作まであれだけ原作に忠実に進んできてたのに
最後の最後に来てそれを崩壊させたのには
あまり納得が生き難い。
・比古との修行パートがgdgd過ぎ。
今作のテーマと言うべき内容に近づく大切な部分であるが
上映時間の1/3を消費するのはやり過ぎ。
結果、他に割くべきであろう部分に時間が行ってない。
いっそ、比古の部分をまるごと改変してしまう方が
良かったのではないかと思ってしまうほど。
・十本刀の扱いがお粗末過ぎ。
ここまで酷い扱いをするぐらいなら、最初から十本刀の名前も 出さずに、中枢の方治・由美・宗次郎(あと必要なので張)
だけで展開してしまえば良かった。
明らかに尺足りないのは鑑賞する側もわかっているし、
バッサリ切ってしまっても理解されたはず。
そして宗次郎に割く時間が全然足りなかったから、
初めて見る人には宗次郎はタダの狂人にしか見えないし、
前作で剣心が宗次郎に敗北した事実が全く薄っぺらに
なってしまった。
あと、あんなギコチナイ動きしかできないなら
ケンケンもやらなくて良かった、ひたすらダサかった。
今作の宗次郎は汚点以外の何者でもない。
・神谷道場一味の扱いまで酷い。
薫が助かるのは良いんだけど、助かったところで結局
何の見せ場もなし。弥彦もウロチョロしてるだけ。
いっその事、終盤まで行方不明扱いにしておいて
戦いが終わった後に悲しみにくれるなかで、ひょこっと
全然別の海で見つかったんだとかで突然登場して
ハッピーエンドにしてしまった方が良かったんじゃないかと
思ってしまうくらい。
・そして左之助の扱いがギャグ
元からギャグ要員気味だけど、あそこまで顔を血まみれに
しなくても・・・ていうか、ラストで脱出するときに
剣心に肩貸してたけど、むしろお前の方が
肩貸してもらう側だろうと・・・
まあこれは割りとどうでもいいところだけど。
あれ、半々のつもりだったのに、実際並べてみると
短所ばかり沢山書いてる・・・それだけ長所である
アクションの良さが印象的だったということか。
そういったところで、前作から悪くなってるところが
あまりにも大きいので、評価としてはこれです。