「日本のウェットな風土に最高のクリスマス映画でした」すべては君に逢えたから お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
日本のウェットな風土に最高のクリスマス映画でした
数組のカップルが紆余曲折を経ながらも、カラっと幸せなクリスマスを迎える……というのが、ハリウッドで毎年毎年、大量生産されるクリスマス映画の定番パターンなんですが、これが成立するのは、国民がみんな「ハッピーニューイヤー」と言ってバカ騒ぎするアメリカ人に共通の素地があるからでしょう。
同じパターンの映画とは言っても、日本ではクリスマスだからといって全国民がホームパーティーを開くわけでもありません。
これは日本映画。
そこはウェットなわが風土。
東北再興のために恋人と遠距離で働く若者や、夢破れて舞台を捨て、いままさに故郷に帰ろうとしている女性や、真面目で一途なんだけど「かなり重たい」女性など、絡み合ういくつもの人間関係に、目頭が熱くなるのでした。
この真面目で重たい女性(木村文乃)をはじめ、基本は全員がものすごく真面目な人たちばかりなので成立するドラマなのかとも感じましたが。
遠く離れている人と人との心をつなぐのがJR東日本とNTTドコモですよーという宣伝臭には違和感を感じなくもないのですが、それを差し引いても良い映画だったと思います。
死んでしまった人と人との気持ちが新幹線を介して通じ合えるという最後のエピソードなど、よくぞ思いついたものだと感心しました。
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