テレーズの罪のレビュー・感想・評価
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罪を憎んで
繊細でアンビバレントなヒロインをオドレイ・トトウが好演してました。登場人物が全般的に煮え切らないというかはっきりしない造形でもどかしい感じがするのですが、却ってそこがある意味陰影となっていてうまい演出だと思いました(監督の技量が不足で、はっきり作りこめなかったのが怪我の功名になってるという可能性もあります笑)。テレーゼが次第に周囲から浮いた存在になってきて彼女の屈折が深まってくることを暗示する効果がありました。 原作はモーリアックの小説です。これでノーベル文学賞をとっています。原作はもっと書き込まれていてテレーゼがなぜあの行動をとったのかがもう少しわかるようになっています。映画ではこの部分(を含めて全体)が結構薄まっているんですが、それなりに丁寧に伏線は張られています。事件の後の登場人物の心の揺れなどもうまく表現されていたと思います。秀作です。
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