「冗談みたいな生き様。」ウルフ・オブ・ウォールストリート ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
冗談みたいな生き様。
スコセッシ&ディカプリオの作品で上映時間がほぼ3時間!!
うっわ~!ナニこの長さ。他の作品と抱き合わせで観れないし、
いつ観ようか、どうしようかなんて、グダグダ悩んでいたのが
鑑賞後にスパーっと解決!(爆)面白さ大爆発の長丁場作品。
…とはいえ、ほぼ全編に渡りディカプリオ出ずっぱりのうえに、
ドラッグでぶっ飛んだ奴、セックスをしまくる奴、エロとバカと
あとはナンだろ、騙し騙され隊が出てくるばかりの作品なので、
そういうのはダメ。っていう良識人には向いてない作品かも^^;
アカデミー賞にもノミネートされている本作、私は是非コレで
とらせてやりたいけどなぁ~。ディカプリオに。
最有力候補といわれる某作も観たけど、主演俳優の身体改革は
確かに頑張ってる、でも演技と面白さでは明らかにこっちがいい。
さすがのディカプリオもコレを撮り終えたら、そりゃ~休みたく
なるでしょうよ~。いやホント頑張ってるもん、偉いわよアナタ。
監督も今作では悠々快適に演出を繰り広げてる模様。
型に嵌らないものを好む人間にうってつけの?トチ狂った作品
だけど、こんな長丁場を飽きさせず魅せる演出は賞賛に値する。
しかし主人公のジョーダン氏、冗談みたいなその生き様はナニ?
思わず日本人のあの御方をフッと思い浮かべてしまったけれど、
こういう人っておそらく一生凝りない人生を送るんだろうなぁ。
現にご本人は(今作でも最後に登場している)消える気配全くなし、
だけど彼が詐欺で騙した賠償金は、一生かかっても返せない金額
だそうだ。もう返さないでしょうね、この人はおそらく。
一体お前はナンなんだ!?と言いたくなるほどのバカなんだけど、
どうしてだかこの男のカリスマ性に人々は惹かれてしまうという、
ラストの行なんて、お見事!!というくらい魅力のある講義ぶり。
成るべくしてそうなった人物って、こうかもしれないよな…ところ
変われば、違う方面で人々を騙せた(あ、失礼^^;)魅了できた人間に
なったはずの人物。コネも学歴もない人間の為り上がり講座だ。
しかし、こういうバカに騙されてしまう人間の浅はかな決断が、
今作を見るとまるで自分のことのように思えてしまうところが妙。
バカなオトコほど可愛い。という女性心理がよく分かる。女から
見ると、羨ましい生き方の総テンコ盛りというか、私も男だったら
こんなこと一度してみたい、そりゃあ気持ちいいだろうよ、の一例。
憎み切れないロクデナシ。を地でいくジョーダンには、いつ何時も
部下たちの熱い信頼が集まってくる。人望が網で初仕事の時から
先輩の仕事ぶりに教訓を得て、自分で掬い取っていくジョーダン。
そういや彼に仕事を教えたあの上司は、その後どうなったのかな^^;
時代も時代だったのだろうが、よくぞそこまでやれた(プラス面でも
マイナス面でも)という意味では本当にスゴイ人物。あまりの半生に
観る者がぶっ飛んでしまうほどの威力と面白さがあるが、騙された
被害者側は、この作品の出来映えをどんな風に観てるんだろうなー。
キャスト陣も最大の魅力。ディカプリオ以下、乱痴気騒ぎが満載。
(監督には今後もこの路線でいって欲しいなぁ。子供向けはもう勘弁)