「金は天下の回りもの、ではないのか?」ウルフ・オブ・ウォールストリート mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
金は天下の回りもの、ではないのか?
まさに疾走する映画であった。
マーティン・スコセッシの映画でいうと「グッドフェローズ」や「カジノ」の系譜に連なるものであった。
ジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)が大手の証券会社に就職し、トレーダーの資格を取得したその日、ブラックマンデーに襲われ、ベルフォートの会社は倒産してしまう。
そこからベルフォートは見事な話術と度胸で、みるみるのし上がっていく。
3時間の長尺を感じさせない、スコセッシのマジックはさすがというほかない。ベルフォートの語りが有効にはたらいて、時折ディカプリオがカメラ目線で話す演出も気がきいている。
レオナルド・ディカプリオは、自分で企画しただけあって、入魂の演技となっている。これも長尺を引っ張るだけのエネルギッシュな人物像を作り出し、観る者に金の魔力を見せつける。
欲望ははてしない。
いいことはいつまでも続かない。
示唆に富む映画であった。
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