「コアなネタあるし、笑いの量はおなか一杯」ウルフ・オブ・ウォールストリート yum1さんの映画レビュー(感想・評価)
コアなネタあるし、笑いの量はおなか一杯
日本での記者会見に於いてはデカプリオも監督もひたすら「株式市場に対する警鐘」を推してましたが、本場のインタビューなどを見るとかなり一転していて「自分の知らない刺激的な世界への好奇心」とかを推していて、なんだか日本人が手玉に取られているなと思いました。
主人公を実刑まで追い詰めたFBI捜査官の地下鉄通勤シーンとかを見ても、倫理観のしっかりした人間をバカにして、稼いだもの勝ちみたいな感じが伝わってきてしまいました。
しかし一方で、薬漬けなどによって性格が崩壊し身の破滅をきたす主人公を190分も見せつけられるとこの映画はそのような欲望だけの人生に「警鐘」を鳴らしていると言ってもいいのかなとも思います。
この映画をコメディ映画として見た場合、笑える要素は満載で笑いの質も文句無しです。劇場で笑いまくれるシーンの多いことと言ったら。
しかし、190分の長さが苦痛に感じたのは事実です。テンポ良くストーリーをわりやすく伝えるためにはゲイの執事のくだりとか、伏線でも何でもない、いろいろ削れるところがあったかなとも思います。でも削れるところもかなり笑えるのでまあ楽しめました。
あとはロッキー・アオキとか、いろいろ現代のアメリカ知ってる人じゃないとわからないネタが仕込まれてますので、そこら辺の予備知識がない人は笑えないネタもほんのちょっとですがあります。ですが逆に知ってる人はかなりニヤつけますね。
以上まとめると、「知らない世界の刺激を求める」「コメディ映画」という観点からは190分という長さはお腹いっぱいでマイナスな印象になりますが、「警鐘」ということで言えばありかなと思います。
全体的にかなり笑えるので一度見る価値はあります。
そして、この映画の主人公に対するイメージは二分されそうですね。
そこから何を学び取るかはあなた次第って感じです。私はこの映画のような人生いやですね。でも地下鉄通勤よりもこっちがいいって憧れる人もいるかも。