「欲望の果て」ウルフ・オブ・ウォールストリート 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
欲望の果て
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大金持ちになったら何をするだろうとよく考える。この映画は巨万の富を得たディカプリオが何をしていたかというと、ヤクをやってセックスをして豪邸に住んでボートや車を所有して、仕事をしていただけだった。その中で何が一番楽しそうだったかと言えば仕事して金をもうけることで、ヤクでギンギンにテンパって更に仕事している様子がとにかく楽しそうだった。
何かを買うためのお金を集めることが目的になって言わばお金中毒だ。会社が大きくなってどんどん成功していく様子が楽しそうだった。結局そこが一番楽しくて、その先はないのかもしれない。
人間の欲望の果てには何があるのだろうか、常々考える事だが、その先を見せてくれる映画には出会ったことがない。最終的には虚しくなったり逮捕されたり死んだりといった破滅がある。その過程にしか喜びはないのかもしれない。
この映画はそれほど極端な破滅はなく、収監されたもののそこそこ楽しげに終わる。
行き着く先には何もない、かと言って目的なしに生きるのもつまらない。成功を目指してその過程を四苦八苦しながら楽しむしかないのかもしれないと思った。
奥さんに隠れてセックスを楽しんだり、お金をいかに隠すのか工夫を凝らしたり、ボロ株を電話で売りつけようとしたり、ヤクをきめて演説したりとにかくエネルギッシュに何かやっている様子が、何をやっていても楽しそうだった。ヤクの禁断症状など負の側面は特に描かれなかった。
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