「優しい味付けの、気持ちの良いファンタジー。」魔女の宅急便 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
優しい味付けの、気持ちの良いファンタジー。
あのジブリブランド!宮崎アニメ!というイメージがすっかりすっぽり定着してしまっている「魔女の宅急便」を、ここまで爽やかに刷新してくるとは!と感心しちゃいました。清水崇監督やりますね!エグいジャパンホラーの名手が、どういう経緯で引き受けたのかは分からないですけども。だって「呪怨」の監督ですよ?180度作風違っちゃってるのに、こんなに健やかで平和な映画撮っちゃうんだもの。まずそっちにビックリしちゃった。
んで、まあ当初はやっぱり心配してたんですよ。何で舞台が日本なんだ?ていう。宮崎版みたいにヨーロッパ圏というかアドリア海辺りでやらなきゃおかしくね?みたいな。魔女っていう風潮?風習?自体が西洋世界の専売特許というか。これじゃ本当の「魔女の宅急便」とは呼べなくね?みたいな。日本でキキとかジジって名前もしっくりこなくね?みたいな。でもしかし!ところがどっこいですよ。いざ鑑賞してみると、そんな懸念は見事に払拭されました。これはこれで全然いいです。寧ろこっちで正解だったかも。日本を舞台にしたことで逆に出てくる親しみやすさというか、親近感というか、柔らかさというか。優しいファンタジーとして普通に成立してるんですね。
イヤミがないし話も分かり易いし、暖かいメッセージ性も伝わって来る。本当悪くないんですよ。
魔女のキキを演じた小芝風花ちゃんは溌剌とした可愛さでずっと応援したくなるし、黒猫のジジもCGではあるけど表情が豊かでこれも可愛かった。
こういう柔らかい映画も、たまに観るのもいいもんですよ。
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