「大人の事情はほっといて、見る者が純粋に楽しめる作品を待ってる」トランスフォーマー ロストエイジ willstrongさんの映画レビュー(感想・評価)
大人の事情はほっといて、見る者が純粋に楽しめる作品を待ってる
映画が始まる前に、小さな兄弟が一つのパンフレットを食い入るように見つめて、目を輝かせながら語り合っている姿が心に残った。
こういう光景、誰もが楽しめる作品こそ究極のエンターテイメントだと信じる。
瞬きするのが惜しい程映像が素晴らしい。目を見張るほどのスーパークオリティのVFXがこれでもかと詰め込まれている。
これは是非IMAX3Dでの鑑賞をお勧めする。特に宇宙船からビルへ綱渡りするシーンは、こっちまで足がすくむような凄い映像。終始感動するほど引き込まれる映像はIMAXのスクリーンでしか体感できないと感じた。
激しいアクションと爆破シーン、美しく男心をくすぐられるような見事な造形のトランスフォーマーとスーパーカーの数々に、興奮の連続で少し疲れた。
正直もう少し短くてもよかったと思うが、やはりそこに関係するのは、中国。
中国の政府と企業協賛でないと国内公開が困難という足枷と、宣伝費として莫大なギャラがでるという甘い蜜にまんまと釣られた今作は、無駄なシーンが多く、中国に余りに媚びすぎた内容の為アメリカ本国の興収が思ったように振るわず、ひどく叩かれまくっているようで、これで懲りて次回作ではちゃんといいものを作ってくれると期待したい。
ただそんな叩かれているほどのひどい内容でもなく、案外私は楽しめた。驚きの展開も用意されていたし、ベイ監督が脚本が面白かったから新シリーズを始めた、というのもうなずける壮大なシナリオが予想されるので、次回作はゆっくり待ちたいと思う。
少々首をかしげる部分もあったが、こういう誰もが見るだけで楽しめる作品も絶対必要。現に記録的成功を収めているのがその証拠。
新シリーズは波乱の開幕だが、予想できない今後の展開は楽しみである。