「酸いも甘いも全部含めて青春。」百瀬、こっちを向いて。 smallbearさんの映画レビュー(感想・評価)
酸いも甘いも全部含めて青春。
早見あかりちゃんが百瀬の切なさなどを上手に演じていたと思います。百瀬は初めは少しクールで、小悪魔的な女の子なのかなと思っていたが、物語が進むにつれて家族のことや宮崎先輩との関係への葛藤のようなものが垣間見えてきて、普通の恋する女の子なのだと感じた。
ノボルは初めは恩人の宮崎先輩の頼みなら仕方がないなという風に不本意に始まった百瀬との関係だったけれど、次第に叶わないと分かっていながらも、宮崎先輩を思う百瀬に感情移入というか、同情・心配などの様々な感情を抱き始めているのが分かった。それが恋であることを田辺くんに教えられるところが笑った。
恋を知らないノボルにとっては、百瀬がなぜ傷付くと分かっているのに関係を続けているのか、一瞬でも思いが通じ合えればいいと言った百瀬の言葉を聞いても理解できずにいた。その原動力はすべて‘好き‘という得体のしれない感情からくるものであると理解するのはノボルには難しいことだろうと思う。
神林さんみたいな女性は一番怖い気がする(笑)懐が大きいというか、自分たちを客観的に冷静に見れる性格というか。ホオズキの花言葉を知ったときは少しゾッした(笑)
すべては神林さんの手のひらの上で転がされていただけの宮崎先輩(笑)でも宮崎先輩も神林さんとの付き合いに打算的なものがあるような感じだったので、仕方ない気もする。
宮崎先輩は美人な彼女と、言い寄ってくる可愛い女の子をキープにしておきたいただのクズな男性かと初めは思っていたが、先輩なりに葛藤はありつつも百瀬との関係を続けていることが次第に分かってきた。宮崎先輩の心情は結局良く分からなかったけれど。
全体的に切ない感じではあるが、あまり印象に残るような映画ではないかなと思う。