「この展開、I know。 ルーカスを排除してルーカスの模造品を作るってそれどうなのよ!?」スター・ウォーズ フォースの覚醒 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
この展開、I know。 ルーカスを排除してルーカスの模造品を作るってそれどうなのよ!?
スペースオペラの金字塔『スター・ウォーズ』シリーズの第7作目にして、オリジナル・トリロジーから数十年後を舞台にした新たな物語「シークエル・トリロジー」の第1作。
帝国軍の残党「ファースト・オーダー」が跋扈する銀河。
姿をくらましたルーク・スカイウォーカーの居場所を巡るレジスタンスとファースト・オーダーの応酬に、砂漠の惑星ジャクーで暮らす女性レイは巻き込まれてしまう…。
監督/脚本/製作は『アルマゲドン』(脚本)や『ミッション:インポッシブル3』の、名匠J・J・エイブラムス。
○キャスト
ハン・ソロ…ハリソン・フォード。
ルーク・スカイウォーカー…マーク・ハミル。
新たなキャストとして、惑星ジャクーでゴミ漁りをしながら暮らす女性レイを演じるのは、新星デイジー・リドリー。
レジスタンスの凄腕パイロット、ポー・ダメロンを演じるのは『ドライヴ』『エクス・マキナ』の、名優オスカー・アイザック。
シスに憧れるファースト・オーダーの幹部、カイロ・レンを演じるのは『フランシス・ハ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』の、名優アダム・ドライバー。
ファースト・オーダーの将軍、ハックスを演じるのは『ハリー・ポッター』シリーズや『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のドーナル・グリーソン。
元ストームトルーパーの青年、フィンを演じるのは『アタック・ザ・ブロック』の、名優ジョン・ボヤーガ。
惑星ジャクーの悪徳ジャンク屋、アンカー・プラットを演じるのは「スリー・フレーバー・コルネット3部作」や『ミッション:インポッシブル』シリーズのサイモン・ペッグ。
また、ストームトルーパーの一人として『007』シリーズや『ドラゴン・タトゥーの女』の、レジェンド俳優ダニエル・クレイグ,CMGがカメオ出演している。
キャラクター創造はジョージ・ルーカス。
第24回 MTVムービー・アワードにおいて作品賞を受賞!
『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005)から10年。ついに全世界待望の『SW』シリーズの新作が公開!…まぁ正確に言えば2008年にアニメ映画『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』が公開されており、さらにそれに続くテレビシリーズがずっと放送されていた訳で、常に『SW』は制作され続けていたのではあるが、やはり『SW』は実写で観たい!と、ファンはみんな思っていたのである。
『クローンウォーズ』を最後に、ディズニー帝国の手によってルーカスは『SW』シリーズから追放されてしまう。
よってこのシークエル・トリロジーはオリジナル・クリエイターが不在の、悪意ある言い方をすれば公式による同人作品のようなもの。
そんなもんに興味ねぇよ、と思いこれまでスルーしてきたのだが、今になってようやく鑑賞してみました〜。
率直な感想。
うん、つまらん🌀
『エピソード4』や『エピソード5』で観たことある展開が最初から最後まで続き、一切のオリジナリティが感じられない。
レイやフィン、ポーといった新キャラクターは魅力的ではあるが、結局良いところを持っていくのはハン・ソロやチューバッカといった旧キャラ。
このファンに向けた目配せみたいなものがノイズになって、全然物語に入り込めなかった。
シリーズお馴染み、オープニングクロールでもうガッカリ。結局また帝国と戦うのかよっ💦
オリジナル・トリロジーから数十年後が舞台ということで、せっかく真新しい敵を設定するチャンスだったのにも拘らず、あまりにも保守的なこの選択。もうこの時点で観る気が失せた。
しかも、物語の起点となる惑星ジャクーは砂の惑星なのである。…じゃあタトゥイーンでいいじゃねえかっ!!💢
その後、舞台は森の惑星タコダナ、そして氷の惑星スター・キラー基地へと移るのだが、これらも見たことある。エンドアとホスじゃないすか。
スター・キラーもデス・スターがデカくなっただけだし…。初めて観たはずなのに既視感しか覚えなかった。
ジョージ・ルーカスを排除して、ジョージ・ルーカスが創造してきたものの紛い物を作る。ディズニーのこの姿勢には疑問を抱かざるをえない。
ここまで旧シリーズのセルフオマージュで埋め尽くすのであれば、もういっそのこと『エピソード4』をリメイクすりゃ良かったのに。それならここまで文句言わなかったよ。
懐かしいものが沢山出て来るのでオリジナル・トリロジーのファンは喜ぶのかも知れない。
全くシリーズを鑑賞していない『SW』童貞であれば、次々と危険が迫って来る展開に胸を躍らせるかも知らない。
しかし、『SW』マニアという訳ではないが一応シリーズは追いかけているという普通の映画ファンである自分のような観客にとって、こんな既視感バリバリの同人作品、はっきり言って退屈極まりない。
2015年といえば『マッドマックス 怒りのデスロード』、そして『クリード チャンプを継ぐ男』という、往年のシリーズ映画の復活が相次いだ年であります。
『怒りのデスロード』では主人公マックスを演じる役者をメル・ギブソンからトム・ハーディに交代し、シリーズに新風を吹き込みました。
『クリード』では主人公をロッキー・バルボアからアドニス・クリードに交代。若きアドニスを導くメンターという役どころに老いたロッキーを置くことで、シリーズの新たな魅力を引き出すことに成功しています。
これら2つの傑作に比べ、本作のやり口はあまりにもお粗末。ただの焼き直しで金を稼ごうというその根性が気に入らねぇっ!😡
まあでも、一つ褒めるとするならカイロ・レンかな。彼は良かった。
厨二病をバリバリに拗らせたヘナチョコがライバルというのはかなり斬新。こういう「おっ!今までにないキャラ!」みたいなのがもう少しあればねぇ…。
という訳で、個人的に本作はブーッ👎
なんか最近の『SW』って迷走してるっぽいし、今からでも土下座してルーカスに戻ってきてもらえば良いんじゃない?
ふふ。お怒りですね。
言われること、たしかにわかる気もします。
ここは一つ腰を据えて、7に続く8で「フォースは限られた人のものではなく、努力次第で誰でも手に入れることができる」という方向に大きく舵を切ろうと試みたが、「フォースはそんなもんじゃねえ!」という声に押し捲られて、J Jエイブラムス監督が帳尻を合わせた9まで、是非、ご覧ください!!