「エピソード7である必要性が感じられない」スター・ウォーズ フォースの覚醒 クリッターさんの映画レビュー(感想・評価)
エピソード7である必要性が感じられない
初レビューで酷評は申し訳ないんだが、今作品には「新作」としてのエピソード7である必要性が全く感じられなかった。
何故なら、散々ご指摘の通り、まんまエピソード4をなぞっただけで物語に何の工夫もなかったからだ。
旧キャストや旧メカを再び出すのは大いに結構だし、レイの突然の覚醒の理由や、カイロ・レンの今後は次作の89で明らかになるのだろう。
だけどレイ、フィン、カイロ、BB-8などせっかくの新キャラがいるのに、エピソード4と同じ様なストーリー構成のせいで全く活かされてない。
せっかく歴史的シリーズ映画の続編なのに、1作目と同じストーリー構成にするなんて一番やっちゃいけない事だと思うんだが。
ましてやスター・ウォーズは常に映画界の最先端を貫いてきたシリーズだ。
確かに123は456とは違う世界観を描きファンから異常とも言うべき猛反発を買ったが、ルーカスは物語には2つの側面があるとし、456が「表」、「光」、「明」の物語なら123は「裏」、「闇」、「暗」を見事に描き、結果的にスター・ウォーズサーガに明暗と言う対比をもたらし深みを与えた(個人的にはそう思う)。
だが、今回はどうだろう?ただ456の様な作風を真似しただけでテーマ性が一切見えない。
JJとディズニーはこの作品を通して何を伝えたいのか。
もしそれがノスタルジーと抜かすならこれほど悲しい事はない。
懐古にまみれたスター・ウォーズなど、観たくなかった。
他サイトのレビューでは「それが狙いなんだよ」と言う記述があるが、なら尚更観る必要はない。
ファルコン号やX-ウィング、ハン・ソロが見たいなら最初からエピソード4だけ観てればいいだけの話だ。
ルーカスが「レトロ映画だ」と一蹴していたが、全くその通りだと思う。
仮にルーカスが監督をしてたなら、これまでの6作品とは違った作風になったと思うし、例えそれが猛批判されてもルーカスが創造した新しいスター・ウォーズが観たかった。
それと絶賛してる人に言いたい。
面白かったなら面白かったで全然OKだし、スクリーンに数十年振りに登場した旧キャラで感動する気持ちもわかる。
だけど、それだけで高評価してしまうのはどうかと思う。
現にこの作品おかしい点がたくさん見受けられる。
ジェダイやシスだけが持てるフォース、ライトセーバーの扱いの軽さに頭の中が???でいっぱいになった。
仮にもジェダイの訓練を施されたはずのカイロがただのそこらにいる黒人トルーパー君にハンデ(手傷)があったとは言え終始圧され気味、挙げ句フォースに覚醒したての女の子にボコされると言う一連の流れには疑問を覚えずにはいられない。
帝国はまたも懲りずにデス・スター(スター・キラー)を作り出して、昔と同じ様な攻略法で壊される始末。
これにはほんとにウンザリした。
バカしかいないのか、帝国軍はと思わず苦笑してしまった。
最後の空撮カットにも首を傾げたくなるし、「そこ地球だろ」みたいなロケ感丸出し。
陳腐なCGだろうが、特撮だろうが、現実世界では決して味わえない惑星の独特の世界観が過去6作品にはあった。
それらの点を指摘せずに、「涙が出た」だの、「OPだけで感無量」だの、ディズニーの必殺「ノスタルジー戦法」に見事に引っ掛かり、目が霞んでるのかと邪推せずにはいられない。
長くなったが、個人的な感想を言わせてもらえば、スター・ウォーズが復活したのは素直に称えたい、けど一連のスター・ウォーズサーガの一部には申し訳ないが必要ないと思った。
新しい物語が作れないなら789なんて作るべきではない。
123が嫌いだからと言って、気持ち(懐かしさ)だけで映画を作るなとJJに言いたい。
ディズニーも既存の作品に頼るな、過去の遺産にしがみついてないでちっとは挑戦してみろと言いたい。