「デイジーかわいい」スター・ウォーズ フォースの覚醒 かぴ腹さんの映画レビュー(感想・評価)
デイジーかわいい
一作目から38年経ったそうだ。小学生だった。SFが隆盛だったとき、アメリカが発したこの映画は圧巻だった。フォースは”理力”と字幕になっていた。
回が進むごとに理不尽な点も。
遠い未来の宇宙でも、帝政と共和制の陳腐な対立。その割に血統主義。帝政は否定しても王政はよいのか?
巨大な宇宙戦艦、戦闘機同士の戦闘。中世の騎士のような戦いは意味があるのか?
フォースという新しい力が見つかっても政治、戦争、人間のありかたはなにも進歩しておらず、SFとしてなにも創造されていない。ただ、現代のものを宇宙という舞台に置き換えているだけである。
20年間見続けた結論が、安産祈願のためにダークサイドに落ちた、で唖然。
この安直さはテレビでアニメシリーズを見て納得。このレベルに合わせているのか。
と、思えば出来や内容は問題ではない。10年経って新作ができることに諸手を挙げて喜んだ。安直なストーリーでキャラクターが定着していることを考えるとディズニーの世界観であっているかも知れない。
テレビでエピソード6の再放送があった。意気込んで復習した。
なんとラストシーンは本作も同じパターンで驚きだった。シールド、内側からかけられないのかな?
他の世代にとってこの安直さは耐えられないかも知れない。今では特殊効果も目新しくないだろう。しかし、私にとっては存在だけで愛おしい。今回は放蕩オヤジとキャリアウーマンの母が寺に息子を出家に出したがグレちゃったという話だ。自分も子育てをやっと終えて身につまされた。もう子供の時代になったのだ。レイやフィン、レンは自分の子供を見るかのような気持ちにさせてくれる。
どんな安直な映画になっても自分の時代とともにあったこの存在はうれしいものである。We're home.この一言に尽きるのは制作側の狙い通りである。