「我々はスター・ウォーズのただ中に居る。」スター・ウォーズ フォースの覚醒 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
我々はスター・ウォーズのただ中に居る。
まずは「遠い昔、遥か彼方の銀河系で…」からの、あのジャーーーーーーン!!!!!!の圧で自分の体は座席の背もたれへと強かに打ち付けられ、流れ出すエピソード説明の衝撃さに全身震えが起き、震えたまま物語はスタートし、貪欲にスクリーンの細部を網膜に焼き付けようと隅々にまで目を凝らし、開始数分で物語の虜となり、「嗚呼、まさしくスター・ウォーズだ、ここはスター・ウォーズの中だ。自分は今スター・ウォーズの新世界に、ただ中に放り込まれているのだ」という実感が頭のてっぺんからつま先までを包み込み、依然として震えは収まらず、早く次へ行ってくれ!次を見せてくれ!魅せてくれ!次はどうなるんだ?早く真相を!早くその謎を明かしてくれ!ともどかしくもあり、だけどまだまだ真相に辿り着かないでくれ!と相反する矛盾した心境を抱きながらもやはり懐かしのキャラクター達が颯爽と登場、その活躍には心の中で雄叫びを上げ、幾度ともなく起きるクライマックスの連続にオーガズムへとその都度で達し、そして真のクライマックスでは胸を激しく引き絞られ、抉られ、その一瞬にはひゅっ!と息が止まり、劇中のキャラクターら同様の心境に陥り、軽い混乱状態のまま今回最大の見せ場であるライトセーバー対決には文字通りに手に汗を握り、これぞスター・ウォーズの醍醐味!と嬉しくもあり、しかし切なくもあり、遂に迎えたラスト!からのエンドロールへと移ろってから途端に涙が溢れ出してしまい、止まらず、これは一体何の涙なのか、嬉し涙か、郷愁か、哀切の涙か分らぬまま暗闇だった場内に明かりが灯り、席を立ち、帰りの通路を歩いても、劇場を抜けても、自分の頭はスター・ウォーズの中を漂っていたのである。今も漂っている。
これは紛れもなく、本物だ。本物のスター・ウォーズだ。正統的な続編である。