「2回見てますが」スター・ウォーズ フォースの覚醒 チラ裏さんの映画レビュー(感想・評価)
2回見てますが
オマージュは行き過ぎるとパロディのようになり、世界観の踏襲を念頭に製作するならばなぞる面より破壊してはならないものを破壊せぬよう最善の注意を払わねばならない。
仮にそこが成功したとしても、この7作目に限ってはそれは当たり前で、砕いて言えれば誰が作ってもほぼそうなったはずなんですよ。
当のルーカス自身が製作決定前からもし7を作るなら同窓会のようになると言っていたぐらいだし。
つまり懐古心を満たすのは当たり前の作品であり、それでもってエイブラムスを絶賛する向きには異を唱えたい。
ましてやこの作品は前述したオマージュや世界観の踏襲という面に於いて決して誉められたクオリティではない。
ともするとシリーズ過去作を馬鹿にするかのようなパロディ的描写が鼻をつく。
単なる魔法とは一線を画するのがフォースであると表現するため積み重ねてきた表現技法をないがしろにし、読心術、マインドコントロールの能力拡大解釈を勝手に始め、ありがちで陳腐な魔法使いといったいどこが違うのか説明がつかなくなっていく。
極限まで抑えてきたはずの流血描写の安直な解禁などなど。
そして本作の一番のマイナス点は一話完結度の低さ。
これはもうあからさまで、これでもかってくらいに謎めかせている。
シリーズ物なのだから次へと引っ張る部分があるのは多少は許されるでしょう。
だが作中に「このシーンはどういう意味?」との問答に答えが出ないようなものを平気で喜んで放り込むことはやめて欲しい。
「レイアとレイは初見では?あの抱擁はどういう感情から?」…誰も明確に答えられないですよ。
スターウォーズがエイブラムスによってまるでLOSTのようになるのは残念至極。
スタートレックのようにしっかり作って欲しいのは自分だけじゃないはず。