「製作・観客・内容全てが、「脈々と」。」スター・ウォーズ フォースの覚醒 MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
製作・観客・内容全てが、「脈々と」。
過去作を彷彿とさせるストーリー構成や、見ている側も4世代に渡っている事が感慨深く、より一層世代の繋がりを感じながら鑑賞しました。JJエイブラムス監督の、過去作への敬意が伝わってきました。まずは、新監督による変化への不安を解消できる内容。過去に敬意を払う世代交代が、ストーリーにも製作陣にも観る側でも行われている。
旧3部作が、引き継ぎ役ハンソロと共に、映像美しく帰って来た!変わってなくて嬉しいよおかえり!って雰囲気です。同じセット、青いパン、ダストシュート。。きりがないほどの大量デジャブ。
今回は、空白の20年以上を埋める感じで、次作への広がりが溢れています。驚く事もありつつ、解消されない謎が沢山!
①ポーダメロンにルークの血は?
②レイは誰待ち?ルークの子?
③カイロレンは何故悪の道に?
④カイロレンがレイに言っていた、噂は聞いているよって何の噂?
⑤フィンは誰の子?
個人的には、レイを巡ってポーとフィンがライバル化。でもレイとポーはルークの子で兄弟でした〜みたいな過去作的展開になるのかな?と予想してみたり。
ポーのアナキンやルークっぽい飛行機操縦の才能!レイのアナキンっぽい底辺孤独生活、アナキンやルークやハンソロっぽい機械いじりの才能、パドメっぽいすっぴん美人かつ、パドメやレイアっぽい男勝りの勇敢さ。覚醒して発揮する、溢れんばかりの強靭なフォース。カイロレンの不安定さ。まだ、〇〇っぽいしかわからないけれど、オマージュと言うより、アナキンが堕ちてまで守りたかった家族の血が、脈々と次々世代に流れていると感じ、遺志は果たされたと確認できました。
新3部作も、孤独感を揺さぶってダークサイドに引きずり込もうとするシス。悪役カイロレンが過去作アナキンとは違い、失う家族がまだいるため弱めでしたが、次作からは目も赤く、より強くなっているのでしょうか?ダークサイドに堕ちないでと思う一方、アナキンに敬意を払う孫の存在が嬉しかった。
カイロレンとレイは実はとても良い友達になれそうなのに、出会うのが遅かったかともどかしい。今後仲良くなるのかな?
作品の中でも、クワイガンジンは1世紀前の人くらいの存在なわけだから、すごい。観る側も、祖父母や両親から受け継いできて、夫婦で維持しているファン魂。今作シリーズを子供の世代に受け継ぐ事が、とてもとても、楽しみです。
新シス、スノークのウォルデモート的お化けっぽさと、マズカナタのあんぽ柿っぽさが、少し引っかかりました。フィンも、殺すのは嫌と言いつつあっさり、抵抗なくトルーパーを殺すし。
何世代にも渡り、空母を作っては壊されながらも、核を思い出させる兵器を蓄え、人々を恐怖で支配しようとする帝国陣営。私達も、世界のどこかでいつも戦争が起き、核で威嚇しあったままの戦後70年。スターウォーズは異次元なようで、リアル。
エレキよりなようで、これだけIT化した現代でもまだ劣らないクラウドやロボット等のITが作品内に現れていて、その構想が旧作を作る前からあったルーカスの想像力創造力を、観るたび心から尊敬します。