劇場公開日 2013年6月28日

「劇団ひとり、やっぱり天才!」ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE アドリアさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5劇団ひとり、やっぱり天才!

2013年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

バラエティの1企画から始まり映画化に至った今作。
なぜ映画化までに至ったのか。
それは劇団ひとりの演技力、恥ずかしげもない程のナルシストっぷりの賜物だと言えます。

元々キスを我慢すると為、ターゲット以外が仕掛け人となり
どうすればターゲットがキスをしてしまうのかという企画だったのですが
劇団ひとりにかかると、
その圧倒的な演技力で、ただキスを我慢するだけというバラエティ企画を飛び越え
そこには何か違う物語がTV版では映し出されているのです。

この映画ではどうか
劇団ひとりによるセリフのキレっぷりはたっぷり堪能できます。
正直劇団ひとりに台本ないのか本当に勘ぐりたくなるほどでした。
感動させられる程のセリフがバンバン出てきます。
これはウォッチングルームみたいにゲラゲラ笑えてるという人もいれば、私みたいに感動してしまうという二極化に分かれるか、あるいは呆れたり、何も感じないという人という個人差はあるのかと思いますが、個人的には感動させられっぱなしでした。

個人的にマキタさんがいるアジトのシーンも笑えましたし
冒頭では劇団のエロっぷりが茶目っ気あって凄く面白いなあと感じました。

そういう意味では沢山楽しめたのですが
映画という作品視点で見ればハッキリいって最低点をつけざるおえません。
劇団ひとりが何するのかわからないので自由度を高めるために仕方ないのかもしれませんが
まず設定がグチャグチャ
話の展開、進め方、設定に矛盾がある上で
ドンドン話をすすめるので劇団ひとりの魅力も生きないし
キス我慢という点も見失いがちになっています。
またアンデットというのは最高の素材だとは思いますが。
アンデットの設定が中途半端な為なぜアンデットを使ったのか意味が全くないどころか
戦闘シーンでもアンデットが雑音みたいに気になってしまうのでどうしてもマイナスになってしまいます。
倒れている人に長時間襲わないアンデットも不自然です。
とにかくこういうのがよくなかった。

話の作り込みをもっときっちりして
最初に手紙なりで劇団ひとりにもっと提示した後に自由度を高めるのか
あるいはもっと複数の選択肢をあらかじめ作ってストーリー展開するのか。

もう少し作り込みをしていればなあ。
もっと劇団ひとりが生きていたと思います。
彼も相当気を使っていて

確かに低予算でこれをするのは酷かもしれませんが、
本当に未知のものに挑戦されたと思うし
この企画自体を映画化すると踏み切ったスタッフの方々には拍手を送りたいです。

もし次回作があるのなら
バラエティ色を強める作品にするのか、それとも映画として作り上げようとするのか
どちらに視点を置くのかハッキリしなければいけないのではないでしょうか。

もし映画として作り上げたいのであれば、上記のような脚本段階での作り込みをしっかりしてもらいたい。
でないとこのままいけば駄作になってしまう可能性が高いです。

個人的にはもっと見たいので、大変でしょうがスタッフの方々に頑張ってもらいましょうという期待を込めて、この評価にします。

アドリア