ムード・インディゴ うたかたの日々のレビュー・感想・評価
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【”人生、愛はうたかたの如し。”幻想的で独創的な世界観の中描かれる、楽しくてやがて哀しき恋愛映画。】
ー 肺で睡蓮が育つ不思議な病に侵された妻と、愛だけで彼女を救おうとする夫が織りなすラブストーリー -
■莫大な財産を持つ青年・コラン(ロマン・デュリス)は、無垢な魂を持つ美しい女性・クロエ(オドレイ・トトゥ)と結婚し幸せな生活を送っていた。
だが、クロエが肺の中に睡蓮が芽吹くという奇妙な病にかかる。高額な治療費のために働くコランの人生は狂い始め、クロエも日ごとに衰弱していく。
◆感想
・何とも不思議なテイストの作品である。どことなくジャン=ピエール・ジュネ監督のようでもあるが・・。
・前半は、コランとクロエの幸せそうな姿を描き、後半はクロエの病が悪化しコランが不可思議な仕事に付かざるを得ない程、貧乏になりクロエの葬式は最も簡素な形で行われる。
<原作の『うたかたの日々』は読んだ事は無いが、不思議な感覚の映画である事は、体感で来た作品である。>
ボリス・ヴィアン
トトゥさんはフランス版MRビーン!
映像は幻想的。前半ポップでシュールで可愛い感じが、主人公の心情と共にダークになっていく。
うーん。でも映像にはあんなに拘りが見られるのに、ストーリーには全くコストがかかってないんですね。
トトゥさんから若さがなくなると、可憐さもなくなるのか。
もうあの雰囲気では、ファンタジーには耐えられないかも。残酷。
刺されるかも知れませんが、「アメリ」を観ててトトゥさんのどこに可愛さを見出せばいいか分からなかった私です。
あの挙動不審さは、フランス版MRビーンだと思ってしまいました(笑)
絶対に原作を読んでから見て欲しい
予告映像を何度か見て、可愛らしい世界観と大好きな俳優&女優が出演しているからという安易な理由で興味を持ちました。
原作があるということで、まずそちらから読んでみることに。
ボリス・ヴィアンの世界観は、私にとって非常に斬新で衝撃的なものでした。
口コミを拝見しますと、「映画のストーリーが意味不明」、「救いようがなくて面白くない」などとおっしゃっている方もいらっしゃいますが、それは”原作における”ヴィアンの独特な個性であり、映画の批判としてはふさわしくないのではと思います。
原作にはかなりグロテスクな記述が何度か登場するのですが、それが非常に美しく芸術的に再現されており、私には大満足の作品でした。
ヴィアンのまるで夢を見ているような不思議な世界観がきちんと伝わってくる作品です。
不思議度で言えば、同じくオドレイトトゥ主演「アメリ」のさらに上をいく作品です。けれども、不思議すぎてついていけない!などとなることが、この映画を見るうえで一番もったいないことだと私は思います。
映画を見る前に、原作を読み、ヴィアンワールドに心を慣らしてから見ることを私はお勧めいたします。
人生はうたかた…なんだろうな
切ない映画
楽しき幻想を打ち砕く辛辣な幻想
参りましたね。我ら映画好きへの、この仕打ちですか。
〝映画好き〟の、趣味や嗜好を十把一絡げにするつもりはないですが、敢えて「映画好きへの仕打ち」、と云わせて頂きたい。
いや、もう、これ、キツいっスわ。このバッドエンド。
別にね、自分はハッピーエンドに慣れ切った平和ボケって訳じゃないですよ。
双方向対応で映画を鑑賞して来た。つもりです。そんな自分としては、どんな結末であろうと受け止める土壌は心に出来てる。つもりです。
うーん、でもなあ、これはなあ…。
イマジネーションに、ファンタジーに、愛や夢やら沢山つまった美しき日々に、リアルが。幸福な日々に、辛辣な現実が。容赦なく侵食して行くんですよ。
予期も出来ない急転直下なハードラック。
楽しき日常、あんなにまでキラキラと輝いていたのに、こんなにまでダークに、世界が閉じていくなんて。
カラフルからここまで救いのないモノクロに落ちていくなら、あの幻想世界は一体何だったのか。本当に救いがない。
ラストにちょいと出てくるパラパラ漫画に胸が詰まってしまう。
このアンハッピーなるエンド。願わくば、これからの映画界の主流にならないで欲しいっス。
人生はうたかた
クロエ
とりあえず、ディレクターズ・カット版!
ディレクターズ・カット版の存在を知らずに観ていたら恐らくはもっと厳しい評価になっていたに違いないのだが、これよりも30分以上も長いディレクターズ・カット版が存在する限り、それを観ないうちには評価のしようがないというのが正直なところ。
ボリス・ヴィヴァンの『うたかたの日々』と言えばストーリーを知っている人も多いだろうし、映像作品もほかにあるので、M・ゴンドリーがそこで自分の色を出したいと考えるのも当然だが、ちょっとやり過ぎ。
次からつぎへと繰り出されるアイディアは確かに楽しいのだが、バランスとか緩急という意味では、どうも巧くいったとは言えない。
観客に見せるべきは、幸せの絶頂の恍惚感とそれが儚く失われていく絶望感であり、映像マジックはあくまでもそれを補完するための手段であるはずなのに、このインターナショナル・ヴァージョンは映像マジックの展覧会状態。
この辺りのバランスや緩急がインターナショナル版を編集の際に失われてしまったのなら、やはりディレクターズ・カットを観ないと!
しかし、いくら何でもディレクターズ・カット版の上映回数が少な過ぎる!!
困った映画でした。。
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