「楽しき幻想を打ち砕く辛辣な幻想」ムード・インディゴ うたかたの日々 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しき幻想を打ち砕く辛辣な幻想
参りましたね。我ら映画好きへの、この仕打ちですか。
〝映画好き〟の、趣味や嗜好を十把一絡げにするつもりはないですが、敢えて「映画好きへの仕打ち」、と云わせて頂きたい。
いや、もう、これ、キツいっスわ。このバッドエンド。
別にね、自分はハッピーエンドに慣れ切った平和ボケって訳じゃないですよ。
双方向対応で映画を鑑賞して来た。つもりです。そんな自分としては、どんな結末であろうと受け止める土壌は心に出来てる。つもりです。
うーん、でもなあ、これはなあ…。
イマジネーションに、ファンタジーに、愛や夢やら沢山つまった美しき日々に、リアルが。幸福な日々に、辛辣な現実が。容赦なく侵食して行くんですよ。
予期も出来ない急転直下なハードラック。
楽しき日常、あんなにまでキラキラと輝いていたのに、こんなにまでダークに、世界が閉じていくなんて。
カラフルからここまで救いのないモノクロに落ちていくなら、あの幻想世界は一体何だったのか。本当に救いがない。
ラストにちょいと出てくるパラパラ漫画に胸が詰まってしまう。
このアンハッピーなるエンド。願わくば、これからの映画界の主流にならないで欲しいっス。
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