「とりあえず、ディレクターズ・カット版!」ムード・インディゴ うたかたの日々 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
とりあえず、ディレクターズ・カット版!
ディレクターズ・カット版の存在を知らずに観ていたら恐らくはもっと厳しい評価になっていたに違いないのだが、これよりも30分以上も長いディレクターズ・カット版が存在する限り、それを観ないうちには評価のしようがないというのが正直なところ。
ボリス・ヴィヴァンの『うたかたの日々』と言えばストーリーを知っている人も多いだろうし、映像作品もほかにあるので、M・ゴンドリーがそこで自分の色を出したいと考えるのも当然だが、ちょっとやり過ぎ。
次からつぎへと繰り出されるアイディアは確かに楽しいのだが、バランスとか緩急という意味では、どうも巧くいったとは言えない。
観客に見せるべきは、幸せの絶頂の恍惚感とそれが儚く失われていく絶望感であり、映像マジックはあくまでもそれを補完するための手段であるはずなのに、このインターナショナル・ヴァージョンは映像マジックの展覧会状態。
この辺りのバランスや緩急がインターナショナル版を編集の際に失われてしまったのなら、やはりディレクターズ・カットを観ないと!
しかし、いくら何でもディレクターズ・カット版の上映回数が少な過ぎる!!
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