「REC4:バイオハザード」REC レック4 ワールドエンド Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
REC4:バイオハザード
完全に「REC」しなくなりました。
人気シリーズもとうとう最終章に。
これまで様々な展開を見せてきた本シリーズだが、最終章ということでやや無理やり感は否めないが、まぁまとめてくれたかな…という印象だ。きちんと第1作からの伏線もあり、ややお笑い要素も入れ込んだ前作「ジェネシス」よりは好印象である。第1作から3作までの生き残った人物らが研究者が実権を握る船に寄せ集められているという設定で、「最後だから集まってもらいました」感が強いが、主人公のアンヘラがカムバックしたのは嬉しいところである。だが、どうもこのシリーズには魅力的な人物が少なく、再登場したところであまり感動が無いのは残念だ。検疫の為の船と言いつつ、いかがわしい実験をしているのだが、寄生体、船…ここまで来ると「バイオハザードⅣ アフターライフ」を更にB級にした様な物語になっている。
前述の通りアンヘラの再登場は嬉しかったが物語的にはそれ程第1弾から経過しておらず、設定上長く見ても数ヶ月程度なのに対し、実際は2007年の第1作から10年近く経過している事もあり、まだピチピチのギャル(なのかどうかは不明)だったアンヘラはすっかり中年女性になっている。恐らく撮影当時40代だろうが、本編には関係無くとも若干の違和感は感じてしまうところだ。第2作目でアンヘラに悪魔の幼虫?が乗り移った事が明かされるが、勿論船の人物らはそんな事を知る由もないまま、感染した猿が逃げ出し、阿鼻叫喚の地獄絵図となるのだが、終盤には結構どんでん返し的な驚かせ方もあり、飽きずに楽しむことが出来た。閉塞感漂う薄暗い船内もあのアパートとどこか通ずる部分もあり、ビジュアル面でも悪くはない。
残念なのは本シリーズは主観撮影でなければ成り立たない作品であり、それが醍醐味だったのだが、本作では一切使用しないことと、使用するのは第1、2作の使い回しという芸のない事をやってしまっている。この部分は最後くらい原点に立ち返って欲しいと感じてしまった。完結編にして良くあるゾンビ映画に早変わりしたが、それならそれでゾンビホラーを純粋に楽しめば良いのだろう。