ローマの教室で 我らの佳き日々のレビュー・感想・評価
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高尚な授業と普遍的課題
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イタリアのありふれた公立高校、癖の強い先生と問題児のエピソードを散りばめて生々しい教育現場の実情をドキュメンタリーのように綴っていく。
何より面食らったのは授業内容の高尚さ、金八先生の授業なら分かり易いのだがイタリアの国語の授業や美術の講義は難しい。芸術の国イタリアらしいと言えばそうなのだろうが詩の引用や哲学的な芸術論ばかりなので私にはチンプンカンプン。最初は無関心の生徒たちが立派に進級、熱血先生の要求に応えていたのには感心する。
問題児には家庭の事情が色濃く映る、生徒たちは体格は立派だがおつむはまだ子供、大人への入り口に戸惑う難しい年頃、親のいい加減さもありそうな話。
熱血教師の馴れの果てのような老教師と新米教師、官僚的な女校長も母性本能は忘れていなかったようだ。否応なく生徒の人生に関わる教師という職業の特殊性、高潔さに今更ながら敬服した。教育は国の大事です、答えはありませんが映画として客観的に見ることで親や子供、教師たちにもあらためて問題意識をもってもらえるとしたら、と考えてピッチョーニ監督は本作を撮ったのでしょう。
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