「ルールや制限が無い超能力モノがいかに面白くないかの見本でした。」偉大なる、しゅららぼん Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
ルールや制限が無い超能力モノがいかに面白くないかの見本でした。
面白くなかった。
話の設定/展開の粗が非常に目立つ作品でした。
本作の肝であるはずの超能力。
この超能力部分は映像演出も含めて殆ど観る価値が無いです。
「人の心を操る」日出の力、「物理法則を操る」棗の力。
精神と物理、相反する力。
かつ両家の血が流れる者は互いに力を行使できない。
そして琵琶湖の神から得た力は琵琶湖を離れると失ってしまう。
色々とネタバレしているように見えますが全く問題ありません。
…上記の設定は殆ど無視されるから。
そもそも「人の心を操る」日出の力と言っているにも関わらず序盤の修行場面。
明らかに設定と起きている現象に齟齬が。
こんな感じならば最初から「空気砲」的なものとしてくれれば良かったのに。。
また話の展開も酷いです。
特に終盤。
淡十郎の謎決断から始まる一連の流れ。
阿呆共が突っ立ったまま台詞の応酬、という点は最早諦めるとして。
眩暈がするような設定の卓袱台返し。
そして腰が抜けるような糞結末。
何より中盤以降あれだけ煽った清子の話を無かったことにするなんて…清子のヤリ捨て感が半端ないです。
それ以外にも「高校生活二日目朝の出来事は誰が、どのように」や「御神水とやらの希少性」等々、挙げていったら本当にキリが無い。
ルールや制限が無い超能力モノがいかに面白くないかの見本のような本作。
個人的には、万城目作品は2時間通して最初から最後までジックリ観る「映画」形式に合っていないと思います。
話のトッチラカリ具合や設定のグダグダ感をみるに、せいぜい2時間 民放ドラマの流し見程度。
薄暗い所で考え事がしたいけど、静か過ぎると逆に気が散ってしまう方。
オススメです。
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