「911の実情。」ザ・コール 緊急通報指令室 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
911の実情。
チラシを手にした時から、どうしても観たかった一本。
ところが鑑賞劇場の対応ときたらかなり酷い(汗)
もともと限定公開だったのか、スケジュール問題なのかは
知らないが、一日一回上映、夕方の中途半端な時間のみ。
これはもうムリかも…と諦めた瞬間、上映が一週間延びた。
これは観ろ!ってことだよなー^^;と好きモノ解釈し、
日曜日の中途半端な夕方タイムになんとか観に行ってきた。
結果、想像通りとはいえ、やはり観て良かった!満足…!
取り立てて凄い話というのでもないが、どこかで観た映画と
どこかで観た映画をドッキング?させたような、
既視感アリのドキドキハラハラ感がしばらく続くので怖い。
こちらでいう緊急通報番号の110番は、アチラでは911番。
警察から救急までこの通話での記録は全て傍受されており、
一刻を争う緊急時にはこの番号が使われているとのことだ。
ところが酷いことに、通報者と会話をするオペレーターには
その後の結果(生死や事件の)が全く知らされないのだという。
彼らが民間人であることがその理由らしいが、では
悲惨な事件に遭遇してしまった際のトラウマはどう解決を?
という、身近なテーマを浮き彫りにしているのが興味深い。
冒頭での事件、とある通報で致命的なミスを冒してしまった
主人公のジョーダン(ハル)は、救えなかった少女の命に脅えて
オペレーターの席に戻ることができない。そんな中、今度は
ショッピングモールで少女が誘拐され、手中のプリペイド携帯
から911へと通報が入る。その場に居合わせたジョーダンが
ベテランの腕を発揮、今度は冷静に指示を与えていくのだが…
被害者の少女をA・ブレスリン。まぁ頭が良さそうな彼女にして
絶対助かるだろう!?と信じながらも、車内のトランクから
必死に助けを求めつつ、泣いても冷静な彼女の熱演がまた凄い。
犯人は早々に判明するが、高速道で、一般道で、様々な目撃者
と遭遇しながらも、なかなか犯人確保にまで追いつかない。
彼らは一体どうやって、犯人から少女を救い出すのだろうか。
中盤までは、ノンストップの追跡が続いて緊張感が増すのだが、
この監督は中盤以降でガラリとテイストを変えてくる。
いわゆる猟奇?偏執?的な面を持ち出してくるのだが、これを
面白いと思うか、邪魔に感じるかでかなり印象が変わってくる。
私的には倫理に沿った展開にした方が良かったのでは?と思うが、
エ!?と思うラストには確かに巧いというより、茫然となるかも^^;
とはいえ、あまり陽の当たらなかった(しかし最重要拠点)911に
焦点を向けたテーマの選び方はさすがで、観応えは十分。
(しかし可哀想なのはあのオッサン、幾らなんでも…喚き過ぎよね)