純愛

劇場公開日:

解説

ステノ・モニチェッリが書き卸した恋愛メロドラマを、イーヴォ・ペリッリ、リアナ・フェッリ、ガスパーレ・カタルド、グイド・ブリニョーネの四人が共同脚色にあたり、グイド・ブリニョーネが監督した一九五一年作品。撮影はマリオ・アルベルテッリ、音楽はアルマンド・フラーニャとサルヴァトーレ・カルディッロの担当。「ポー河の水車小屋」のカルラ・デル・ポッジョが主演し、新進ガブリエレ・フェルゼッティ、米国男優フランク・ラティモア、カルレット・スポジート、ティナ・ラッタンツィらが共演する。

1952年製作/イタリア
原題または英題:Core'ngrato
劇場公開日:1953年10月24日

ストーリー

いまは引退したオペラ歌手バッティストーニは、エレナ(C・デル・ポッジョ)という美しい娘の天分をみとめ、彼女を立派な声楽家に育てあげようとローマの自分の家に引きとって、親身になって努力していた。バッティストーニの許にはエレナのほかにも若い声楽志望者が幾人も集っていたが、ピアノ伴奏者として来ている青年スプリーナ(G・フェルツェッティ)は空想家で、バッティストーニが秘蔵しているサファイアに大きな魅力を感じていた。エレナは学費がつづかなくなって田舎へ引きあげることになったが、そのとき、バッティストーニは心臓病でたおれ、そのどさくさにサファイアが紛失してしまった。エレナは嫌疑をうけて逮捕され、資力のない彼女には官選弁護人としてエンリコ(F・ラティモア)という青年弁護士がついた。エンリコはこの事件が初めての仕事だったが、エレナのために全力をつくして彼女を釈放させることが出来た。スプリーナはエレナに自分の働いているダンスホールに勤めることをすすめたが、彼女にとってそこは到底働ける場所でなく、やはり故郷に帰ることにした。しかし、再びエンリコに逢い思いやりある彼の計いで、彼女は裁縫店で働くことが出来、彼女の新しい生活がはじまった。こうしているうちに、エレナとエンリコの間には恋が芽ばえ、次第に燃え上って行った。ある日、とつぜんエレナの前にあらわれたスプリーナは、宝石泥棒は自分だと告白し、エレナを共犯にまきこむと脅迫して行った。恐ろしくなったエレナはエンリコの許にかけつけ、二人はナポリへの旅に出た。楽しい数日をすごし家に帰ったエレナの前に、またもスプリーナがあらわれ、彼女を脅迫して行った。そこへ、突然エンリコの母親が訪れて来た。彼女は息子の恋愛を知っていたが、エレナがまた上訴を終っていない身の上であることを考え、息子と別れて欲しいと告げた。エレナは悲しみのうちにもエンリコのためを思って身をひき、レストランに働きに出たが、やがてエンリコの子供を宿していることがわかった。エレナは生れでる子供のためを思い、ひそかにエンリコの母親にその養育をねがい、承諾を得た。ある夜、エレナはまたしても待ちかまえていたスプリーナの暴力におそわれ、夢中で抵抗して彼を殺してしまった。そのエレナを告発した検事は、エンリコだった。彼は憎しみを秘めて激しく彼女を責めた。だが、エレナの告白にすべてを知ったエンリコは再び彼女への愛情をとりもどし、二人は晴れて結ばれた。

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