劇場公開日 2024年11月22日

「愛とノスタルジーこそが人類を救う」インターステラー よしたださんの映画レビュー(感想・評価)

2.0愛とノスタルジーこそが人類を救う

2015年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

人類の運命を決定するものは、科学的な客観性に基づいた判断によるべきか。それとも、具体的な対象が特定された愛によるべきか。
これがこの物語の中心をなす。
全人類の存亡に際して、個人的な愛による行動の決定を主張するアン・ハサウェイ。結局、彼女の愛は儚かったけれども、一つの愛がまた別の愛を生み出し、だからこそ人類は延々とその血脈を受け継いできたのではないか。
宇宙へ旅立つ人々の世界と、目先の食糧確保のために農業にいそしむ人たちの生活世界とのギャップが、空間的な距離というよりも、時間的な距離に見えてくる美術も計算の内なのだろう。マシュー・マコノヒーの農場とその周辺は20世紀半ばのアメリカ中西部の穀倉地帯を思わせてノスタルジーを掻き立てる。
人が守りたいと思うものには愛やノスタルジーが必要だということだ。
エンドクレジット見て知ったのだが、これフィルム撮影だった。なるほど、ノスタルジックな画にこだわっているわけだ。

佐分 利信