「ノスタルジックな現代のSF作家、ノーラン」インターステラー ルナルナさんの映画レビュー(感想・評価)
ノスタルジックな現代のSF作家、ノーラン
観終えた後、ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」を読んだ時の、不思議でいて爽やかな感覚を思い出した。
アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラーク。SFが空想科学小説と呼ばれていたSF黄金期のテイストが、この作品にはある。ノーランもきっと、少年時代にこれらの作家の小説を読み耽ったに違いない。
クリストファー・ノーランは、類稀なストーリーテラーである。人を〝えっ⁉︎〟と驚かせるような仕掛けやトリックが大好きで、卓越した発想力と確固たる構築力で、思いもよらぬ物語を紡ぎ出す。プレステージしかり、インセプションしかり。
今回の作品も、時空を超えた大トリックがひらめき、それを縦軸に、父子の愛を横軸に盛り込んだのではないだろうか…
最後のどんでん返しに持っていくためには、細部の腑に落ちない部分や、あれあれ?というラストも、もう許せてしまうのである。
そして、ともすれば科学用語の連続についていけなくなりそうな瞬間も、主演のマシュー・マコノヒーが、体温を感じさせる人間臭い演技で、ストーリーをうまく牽引している。
ズンと胸を打つ演技。彼って、こんなに上手い役者だったのかと、改めて感心した。
ハンス・ジマーの、無音を効果的に取り入れた音楽も素晴らしかった‼︎
兎にも角にも話が面白く、グイグイ引き込まれ、3時間弱という長さも気にならなかった。前作の「ダークナイト・ライジング」の残念さを払拭の一作である。
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