「SFとして観たが泣けてしまう…。ただ、様々なところで見られる筋の通っていない低評価レビューが悲しい。」インターステラー トムゥーさんの映画レビュー(感想・評価)
SFとして観たが泣けてしまう…。ただ、様々なところで見られる筋の通っていない低評価レビューが悲しい。
ノーラン監督の作品として1年ほど楽しみにしていた作品だった故に期待はとてつもなかったです。
しかしその期待をいい意味で裏切ってくれました。
冒頭の地球ではあたり一面トウモロコシ畑、解体されたインド軍のドローン、砂嵐、によって人類が危機に瀕しているのがよくわかります。
そして主人公は娘の未来を守るために人類を救うという名目で宇宙に旅立ちます。またこの親子の別れのシーンがつらい。「こんな形で別れたくない。」というセリフが悲しくなります。
宇宙のシーンはワームホールのシーンが凄い。本当にワームホールの中はこういう風なのかなってワクワクしてしまいます。また、1つ目の惑星の大波も半端じゃないです。
でも一番の名シーンだと思うのは、惑星から帰ってみると宇宙船ではすでに24年もの歳月が経過。残った乗組員は白髪が生えている。「うらしま効果」の衝撃をうけました。そして地球からの一方通行の家族からのビデオレター。観ていくうちにどんどん歳をとっていく我が子。そして主人公と同い年になった娘の登場。「お父さんと同じ歳になっちゃったよ。お父さんのことは諦める。」このあたりで涙腺が崩壊しました。こんなにも辛いことはあるのだろうかと…。
まぁそれからイロイロあるのですが、マット・デイモンが登場したときはびっくりしましたね。でも案の定悪い奴で早期退場(笑)
ブラックホールで重力ターンを使って最後の惑星に向かうところはなかなか凄かったです。でもエンジン出力最大でも老年のブラックホールから逃れられるのかはわかりませんが(笑)
そこからの伏線の回収は見事でした。美しいと言っても良い。ブラックホールの中で外に飛び出すのはびっくりしました(笑)五次元空間のシーンは素晴らしいと思います。
ただ、ラストのまた元の世界に戻るのはどうかなーー?と思ってしまいます。ブラックホールに飛び込んでからは現代の科学でも分からない未知のことだからその先は自由に描いてもらっていいのですが、最後に生きて戻ってくるのはどう言っても都合が良いとしか言えません。そこだけです。だから4.5なんです。
作品全体としては素晴らしいと思います。物理の知識もあったので専門用語もなんとか理解できました。
最後に、様々なところで筋の通らない低評価レビューが目立ちます。
感じ方は人それぞれなので、低評価は全然OKなのですが低評価するならするで筋の通ったレビューが必要だと思います。
ご都合主義というレビューは全然問題ないと思いますし、このシーンは必要ないだろ。という意見も良いと思います。五次元空間が本棚の裏というのは人によってはご都合主義と思うでしょう。
ただ、長いから面白くない や 自分には理解できないから面白くない と言ったあまりにも幼稚な低評価はいくらなんでもないと思います。
言いたいことはわかりますが、どんな作品でも感じ方は様々です。私のレビューにも、『何もわかってない、出直してこい』なんてコメントが以前ありました。確かに理解している者にとって何もわかってないトンチンカンは腹立たしいのかもしれませんが公序良俗に触れてないのなら致し方ないと思います。
設定とストーリー自体はちゃんと説明されてるんですけど、読み取るのにある程度の知識が必要な映画ではありました。
とはいえヒット作にアンチがいるのは当然で、彼らもお金を払って見たのなら、それも一意見かと。
最後のクーパーが戻って来たことに関してはあれでよかったと思いました。
残り2分ほどの空気しか残っていなかったという発言から、クーパーはあの5次元空間の中をずっと漂っていたはずです。
そして5次元空間の中では時間も、なにかもが物質量として数えられると言っていましたね。
ここら辺がクーパーが助かった最大の理由なんじゃないですかね。クーパーが生きていることによってアメリアを助けに行くこともできたわけですし。
すいません。レビューを読んでちょっと書きたくなって書いてしまいました。