劇場公開日 2024年11月22日

「まだ見ていない人も、死ぬまでに一度は見たほうがいいです。」インターステラー taka0730さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0まだ見ていない人も、死ぬまでに一度は見たほうがいいです。

2021年3月20日
PCから投稿

ひまつぶしにAmazonプライムの無料の作品からなんとなく本作を選んで見たのですが、どうせただのB級SF映画だろうと思ったら、実はとんでもない特A級映画で、その壮大なスケールとテーマ性の高さに圧倒されました。
2時間50分という大作にもかかわらず、最後まであっという間でした。
その後に知ったのですが、この映画はノーベル物理学賞を獲ったキップソーン氏の監修により、物理的に破綻しない設定で作られているそうです。(5次元の世界については、破綻しているかどうか検証しようがありませんが・・・。)
一応、物理学の用語も出てきますが、そんなことは知らなくても親子愛に重点を置いているので十分感動できる映画です。
しかし、物理学を少し学ぶと、感動が5割り増しになります。

まだ見ていない人は、これだけは頭の片隅に入れて見てください。
映画の中で「重力」という言葉がよく出てきます。
私も知らなかったのですが、重力はもっとも身近にあるのに もっとも謎に包まれているそうです。
私は、重力も磁石のように電気の力で引き合っているんだろうなと思っていたのですが、実はぜんぜん違うらしいです。
その仕組みはまだほとんど解明されていませんが、重力は時間や空間より上の次元にあり(5次元?)、重力が時空をゆがめて重さが生まれるらしいです。

この映画を見終わってから、YouTubeにいろいろ上がっている解説動画を見て もう一度映画を見直すと、さらに感動しました。
実は、親子愛と物理が融合しているところに感動ポイントがあるからです。
この映画は難解だという人もいますが、その後ノーラン監督の他の作品「インセプション」「メメント」「テネット」を見ましたが、この映画が一番簡単で分かりやすいと思いました。
まだ見ていない人は、ぜったいに見たほうがいいです!!
見ないと死ぬ間際に後悔することになると思います。

***************** 以下、ネタバレあり ******************

この映画の感動ポイントは主に3つあると思います。
①主人公のクーパーが娘のマーフに「きっと帰ってくる」と言って、困難を乗り越えそれを実現させたこと。
②本棚のくだりの伏線回収
ここまではだれでも分かるのですが、もう一つ大事な伏線回収があって、それがアメリアの発言が現実となることです。
宇宙船の中でアメリアは「愛は観測可能なもので時空を越える」と言ってエドマンズの星へ行こうと提案しますが、みんなに相手にされず却下されてしまいます。
しかし、クーパーは5次元世界でその事実に気付いて、愛の力でマーフに量子データを送ることができました。
また、アメリアが感じたとおり、エドマンズの星が実は理想の星でした。
つまりこの映画の中では、愛は精神的なものではなく、時間や空間を超える物理的な存在だという設定になっているところが感動ポイントです。
ノーラン監督も結構ロマンチストだなと思いました。
また、映像もすばらしく、あのブラックホールに接近する数十秒の映像は、理論に基づいて計算し、高性能コンピュータを何日もフル回転させて作ったそうです。
クーパーの決して諦めない強い精神力にも感銘を受けます。
壊れた宇宙船にドッキングするシーンは、一番見ごたえのあるシーンでした。

goody_taka
かせさんさんのコメント
2024年7月16日

キップ・ソーンが思いついたアイデアを持ちこんで実現したとインタビューかなにかで読んで、それでこの物理的整合性なのかと納得しました。
そのアイデアをここまで壮大なストーリーに仕上げたノーランにも拍手!

かせさん