「169分があっという間なのは相対性理論のせい?」インターステラー Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)
169分があっという間なのは相対性理論のせい?
IMAXレーザーの再上映を鑑賞したので、書き直します。
前のレビューは興奮を抑えたつもりが爆発し、よく分からんレビューになってしまったので、ちゃんとしたレビューが書けるように頑張ります。
待ちに待ったインターステラーのIMAX再上映。
公開から1週間経ってるけど、満席だった。
ストーリーや結末は知っている。何回も観たし、小説も読んだら。
だから完全に理解したつもりでいたけど甘かった…
ノーラン作品は『ダークナイト ライジング』までは観客に作りを理解させるために説明が無駄に多くて、なおかつアクションが正直下手くそだった。
アクションに関しては映像と音で乗り切ったいたイメージ。
しかし『インターステラー』以降は画面での説明が増えて、セリフでの説明は難解なところだけ。アクションも「映す」から「撮る」になっている。
具体的には補足で。
一応ジャンルはSFなんだけど、だからといって映像やアクションだけじゃないのが、今作の素晴らしいところ。
SFはあくまでもドラマの延長線上にあってメインなのはドラマ。
それも引き裂かれた家族や恋人など王道かつ普遍的な要素を磨きに磨きまくってる。
ストーリー展開も意外と胸糞展開が多い。
胸糞展開のいいところは「最終的な感動が大きい」というところだと個人的に思ってる。胸糞展開を乗り越えた先はどんな形であれ絶対に泣ける要素がある。ビデオメッセージはいい例。
ノーラン作品だけあって張り巡らされた伏線も健在。
ブラックホールで全てが繋がる衝撃と爽快感は何度観ても気持ちいい!
この作風は兄か弟どっちによるものかは分からないけど、どちらにせよノーラン(兄弟)はやっぱり凄い!
再上映の作品だからか、映画好きっぽい人ばっかりだった。おかげでマナーはいいし、音も全く立たなかった。
無音のシーンは映画館内が張り詰めた空気になり感慨深い。
エンドロールは1人も席を立つ人がいなくて、みんなが一体となって見守っていた空間感は忘れられない!
最後に「Interstellar」と画面に表れたとき無性に泣き出しそうになって、涙を堪えたら思わず拍手をしてしまった。
そしたら他の人も拍手をしてくれてしばらく座席で放心状態。
この色々な意味で異次元の映画体験は二度と忘れないだろう。
本当にノーランには感謝と敬意しかない。
補足
・画面での説明という点。
今まではストーリーに関わるところは全てセリフで説明していたけど、今作からは画面に映すだけで観客に考えさせる要素が多い。
分かりやすい場面で言えば、クーパーがブラックホールから土星付近に投げ出される場面。
よく見ると奥の方に点滅する光が見える。
これはおそらく宇宙ステーションで多分この後クーパーを発見し、救出するのだろう。
もう1つ。
エドマンズについて。
最後にちょっとだけ出てきたけど、エドマンズは冬眠中に落石の下敷きになり死亡していた。これは小説を読んで知ったことだけど、今回IMAXで観て確かにそんな風なシーンがあった。
・アクション
『インセプション』まではものすごい視覚効果を固定カメラで映すだけ、というアクション描写が多かったけど、今作からはIMAXカメラを乗り物に固定した映像が多い。
これは多分『インターステラー』でノーランが気に入った撮影手法で『ダンケルク』や予告を観る限りだけど『TENET』にも使われている。
乗り物の動きに合わせてカメラワークも動くから没入感や臨場感が溢れる。
その他にも空間を上手く利用した目が回るくらいに動きまくるカメラワークなど、『インセプション』までとは全然違った迫力だった。