「安住の地を求め宇宙へ…またもや時間が」インターステラー いたかわさんの映画レビュー(感想・評価)
安住の地を求め宇宙へ…またもや時間が
TENET鑑賞前日、ノーランワールドに慣れておくために再鑑賞。
近い未来、環境変化による食糧難によって人類の滅亡が近づいていた。人類存続の為、主人公は新たな居住可能な惑星を探しに別の銀河系へ向かう。
その中で、予想もつかないアクシデントにてんわやんわする、設定としてはよくあるんだけど、今作はしっかりと科学考証をしてるらしいし、なんちゃってSFとは違うのが良い。それ故に専門的な用語が出てくるから内容が難しいなと思った。
でもシンプルに宇宙に関する知識を学べたのが良かった。
ワームホールって平面だと思ってたけど、球体なんだぁとか、ブラックホールの中はこんな感じなんかなぁとか、ペシャンコにならないのかぁ、しかも生きて帰ってこれるんかいとか興奮しながら見ていた。
そして特に興味深かったのは、ある星で数時間過ごして母船に残ったら20年以上経っている、時間遅延が起きたことだ。
これは相対性理論に基づいている。名前だけ知っててなんのこっちゃだったが、重力はただの物体間に働く万有引力ではなく、時空の歪みということ。重力の強い場所の方が弱い場所より時間の進みが遅い。実際、地上よりスカイツリーの方が時間が進む速度が速いらしい。
そんな理論を時間の魔術師ノーラン監督が見逃すはずがなく、大胆にSF映画に落とし込んでいるのはさすがだなと思った。
わずか数時間の間に子供が大人になっている。成長を映像で見ることはできたから嬉しいだろうけど、そばで見守ることができなかったのは辛いだろうなぁと思った。そして息子に見放された時の絶望感、マシューマコノヒーの表情が喜びから悲しみに変わるのが印象的だった。
家族を残して旅立つ男の苦悩、残された娘の葛藤は物語を盛り上げるおかずのようなものかと思っていたが、今作のテーマは愛。
科学で人類を救うのだが、その展開が親と子の愛は空間、時間さえも越えることができることを示していて、興奮と感動が一気に押し寄せた。
てか、出演者が豪華だなと思ってたけど、よく見たらティモシーシャラメが出てることに驚き。そしてシャラメが大人になったのをケイシーアフレックが演じてたけど、全く似てないから違和感感じた笑。