劇場公開日 2013年10月26日

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「渋く複雑な感情が湧いてくる良作」デッドマン・ダウン willstrongさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5渋く複雑な感情が湧いてくる良作

2014年4月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

この監督の作品は叙情的な表現が巧みで、よくあるアメリカのアクション満載の復讐劇にはなっておらず、複雑な感情がよく伝わる作品に仕上がっていると思う。
心に深い傷を負った二人の男女の運命が2年前の事件をきっかけに交錯し、意外な展開を紡いでいく
復讐に駆られ憎しみに呑まれ人格さえ変わり、仇の鬼と化す
似た傷を持ち憎悪に囚われる二人が、お互いを助け、惹かれあい、復讐を果たすことへの恐怖と、生き残る苦しみ、先へ進み出そうとする感情の中を彷徨い、葛藤する描写は見事
この先どうなるんだろうという期待感もありつつ、サスペンスに必要なハラハラする展開に映像の中に引き込まれた。
「ドラゴンタトゥーの女」では暗く深いストーリーと雰囲気で悲しい物語を描いたが、特徴とされる独特の世界観と、複雑に表現される感情表現で評価された監督の才能は、この作品でも存分に発揮され、最後までどうなるかわからないシナリオに、散りばめたキーとなるシーンをうまく結びつけ、展開する様は美しく素晴らしいと思う。音楽やテンポ、間のとり方にいたるまでこの監督にしか出せない味が滲み出てるいい作品だと思う。

bp