劇場公開日 2014年3月21日

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「生きる事は素晴らしいとポールの人生が教えてくれる最高のプレゼント」ワン チャンス Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生きる事は素晴らしいとポールの人生が教えてくれる最高のプレゼント

2014年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

私はこう言う映画は出来不出来に関係なく、やはり大好きな作品だ。
特に自意識を高く評価する事が出来ず、中々自己を受け入れられない臆病者が、何とか努力して、人生を切り開いて行こうとする姿を観ると非常に励まされる。
そして、勿論彼の事も応援してみたくなるのが、人情と言うものだ。

「ブリティッシュ・ガット・タレント」と言うイギリスの人気番組は日本でも大人気になってこの映画の主人公ポール・ポッツが優勝してプロデビューした。その後は、スーザン・ボイドと言う、英国の田舎暮らしをしている普通の太っちょオバサンが、47歳にしてプロデビューするなど数々の話題と共に人気を誇る番組で、本当に凄く面白い番組だが、この映画は、結果的にはこのTV番組の宣伝映画のようでもあるけれど、ポールのサクセスストーリーにとっては外せない部分だからしょうがないだろう。

それにしても、「リトルダンサー」でもそうだけれど、多くの人と異なる趣味や興味を持ってそれに熱中している子供は、幼少時代からイジメにあったりして、不遇な人生のスタートが始まる。その事に因り、彼らの自己に対する評価は、そのトラウマの影響を強く受けて、自ら低くい自意識にはまり、このポッツのようにあまり冴えない人生の冬を長く過ごす事になるようだ。
しかし、恋人も何とか出来て、彼女の応援も有り、友人の励ましで、何とか夢を貫いていこうと試みる彼の人生には、多くの勇気を貰い、自己の人生の再出発を始めた人も多数いると思う。
これはポールの実話なのだが、どのエピソード迄が本当で、何処からがデフォルメされた脚色の物語なのか判別がつかない。だが、それでも人生を諦めかけても、また立ち上がり何度となくトライしていくポールは最高に輝いているよね!

この映画は、監督にデビット・フランケルを起用していると言うのも感動作に仕上がっている大きな要因だと思う。
フランケルと言えば最近では中年夫婦の倦怠期をコミカルに描いた「31年目の夫婦げんか」「モーリーおバカな犬」と言う犬大好き人間には堪らないチャーミングな家族映画や、あの恐い恐い「プラダを着た悪魔」を撮っている彼だからこそ、サクセス&ハートウォーミング作品を作らせたら最高でしっかりとツボを抑えた演出が光って、本当に快い作品になっている。
ところで、ポールが神様同然に崇めていたパバロッティの辛辣な言葉に因って彼は傷付き失意の底で、歌を諦め欠けるけれども、成功を収めたポールには、彼の厳しい言葉が有ったからこそ、逆にその後成功をする事も出来たのだと思う。人生に無駄な事はきっと無く、総ての景色を楽しむように自己の人生を生きていきたいものだ。英国の街曇り空とイタリアの景色の美しさも最高に観て楽しい映画だった!ポールの歌声が何時までも心に残る。

ryuu topiann